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手作業で焼き上げる「ごえんもち」の店

2016年の一連の熊本地震で阿蘇市は震度6弱に襲われ、阿蘇神社も甚大な被害を受けました。現在、復旧工事は全て完了し、多くの参拝者が訪れています。

【写真を見る】なぜスーパーの社長が餅を焼く?阿蘇神社への“恩返し” 熊本地震から10年、思いで結ぶ「ごえんもち」

その参道に続く道沿いにあるのが、2年前にオープンした「あその姫」です。

オリジナルの焼き餅「ごえんもち」を、一つ一つ手作業で焼き上げていきます。

看板商品は、米粉の生地に紫芋を練り込んだ「紫ごえんもち」。 こんがりと焼かれたモチモチの生地の中に大豆で作った特製の餡が入っているのが特徴です。

この大豆餡に抹茶を混ぜ、クリームチーズを合わせたものが「抹茶ごえんもち」です。

様々な味を目当てに、地元の人や観光客が訪れています。

来店客は――
「種類は4~5種類あってすごく美味しい。ちょっとお茶の供には良いですよ」
「食欲が湧くような大豆の香りがする」

SNSで話題になっているのを見て、佐賀県から訪れたという観光客もいます。

観光客「ん~!おいしい!」

きっかけは、10年前

この餅を考案したのはオーナーの宮原るみさん。開発のきっかけは10年前に遡ります。

あその姫オーナー 宮原るみさん「熊本地震で “地域の守り神” である阿蘇神社が崩壊した姿を見たときに、『何かお手伝いができないか』という思いからスタートしました」

宮原さんを始め、地元に住む人たちは、阿蘇神社が熊本地震で壊れたとき、私たちの身代わりになって守ってくれたと特別な絆を感じていました。

そこで、神社にちなんだ新たな商品を開発し、復興を後押しすることにしたのです。

“地域の守り神”へ思いを込めて

商品作りでは、大豆で作る餡にこだわったといいます。

宮原さん「大豆は “地に根を張る”。阿蘇神社が地域の守り神として、地に根を張っていくようにという思いを込めました」

さらに色にも特徴があります。

阿蘇地域で作られている紫イモを使って、阿蘇神社の神秘的なイメージを表現しています。ペースト状にして、米粉の生地に練り込みます。手間を惜しまず、一から手作りするのが美味しさの秘密です。

売り上げの一部は阿蘇神社に

大豆餡を、紫芋の生地で包んでいきます。そして、両面を香ばしく焼いたら「ごえんもち」の完成です。

他にも、餡の代わりにきんぴらごぼうを包んだ「きんぴらごえんもち」も開発しました。

幅広い層の人たちに楽しんでもらおうと様々な味を作り、その売り上げの一部を阿蘇神社に寄付しています。

名前の由来は…

宮原さんが「ごえんもち」と名付けた理由は、阿蘇神社の境内に「えんむすびの松」があるからです。人と人との縁を結ぶのにご利益があると言われています。

宮原さん「阿蘇に住む方々、働く人々、そして観光客のご縁を、阿蘇神社を中心として繋げていけたらなという思いで『ごえんもち』と名付けました」

スーパーマーケット「みやはら」の社長でもある宮原さん。店を開いた理由の1つに、誰もが気軽に集える憩いの場を作りたいという思いもありました。

子ども達の遊び場に

この日は子ども達がごえんもちを食べに来ていました。

宮原さん「どうだった?」
子ども達「美味しかったです」
宮原さん「わ~良かった!子ども達の遊び場になってくれるといいかな」
子ども「水曜日、家に帰ってからまた買いに来たい」
宮原さん「嬉しい、ありがとう。じゃあ、お小遣い貯めてきてね」

熊本地震で気付かされた地元への思いと地域の繋がり。ごえんもちを通して、宮原さんの恩返しは続きます。

宮原さん「地元の人たちみんなでご縁をつないでいく。そういうきっかけになったらと思う」