「SPA&ごはん ゆるうむ」の公式Xより

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旅行費用の上昇は、今年の大型連休の過ごし方にも影響を及ぼしそうだ。JTBが公表した「2026年の旅行動向見通し」によると、2026年の国内旅行は、物価や宿泊費の上昇が続き、旅行単価もさらに上がることが指摘されている。国内旅行の平均費用は5万2900円で、前年から2.9%上昇する見込みだという。

だが、大型連休の楽しみ方は遠出だけに限らない。いま関心を集めているのは、日帰りで楽しめる“近場レジャー”だ。

大型商業施設や温浴施設、公園、道の駅、体験型イベントなど、遠くへ行かなくても一日を満喫できる場所が、物価高時代における大型連休の受け皿になっている。

では、こうした需要の高まりは、受け入れる施設側の運営にどのような変化をもたらしているのか。取材を進めると、近場で一日を過ごす需要は、利用者の選択にとどまらず、施設側の企画や受け入れ態勢にも影響を及ぼし始めていることが見えてきた。

こうした動きが見えやすい業態の一つが、温浴施設だ。近年のサウナブームも追い風となり、半日から一日かけて過ごせる温浴施設は、近場レジャーの代表格といえる。

全国の温泉やスーパー銭湯、サウナ情報を扱う「ニフティ温泉」でランキング1位を獲得した、茨城県水戸市の温浴施設「SPA&ごはん ゆるうむ」。同施設の支配人・小河原利之さん(55)は、利用者の傾向についてこう話す。

「当館では、宿泊施設以外は予約制ではないので、日帰り旅行のような感覚で近場から立ち寄られる方が多いです。単に入浴やサウナを楽しんでもらうだけでなく、漫画を読めるスペースや食事を充実させ、一日を通して過ごしやすい場所を提供できるよう意識しています」

では、近場レジャーの需要が高まり、混雑が予想されるGWに、どのような対策を講じるのか。

「普段の休日でも多くて1000人近くの来館者がありますが、今年のゴールデンウィークは1500人ほどを見込んでいます。スタッフの増員や備品の在庫管理だけでなく、利用者が館内の一部に集中しないよう、連日異なるイベントを開催する予定です」

混雑を見据え、施設側の受け入れ態勢にも変化が表れ始めているようだ。

飲食テナントと連携した“はしご酒”企画も

では、都心の大型レジャー施設ではどうか。東京ドームシティを運営する株式会社東京ドーム広報室の担当者にも連休中の受け入れ態勢について聞いた。

「東京ドームシティは、東京ドームでのコンサートやスポーツ観戦などを目的に来られるお客様が多い施設ですが、近年は身近な休日の選択肢として、施設内で長く過ごされる方も増えています。

イベントの前後に施設を利用する層だけでなく、近場で一日を過ごしたいというニーズにも対応するため、混雑が予想される大型連休は、フリースペースを活用しつつ、無料で参加できる企画も複数展開しています。複数の飲食テナントと連携した“はしご酒”のような企画もあり、東京ドームシティ全体で過ごす時間の選択肢を広げています」

旅行費用の上昇を背景に、近場で一日を過ごせる施設は、大型連休の受け皿の一つになっている。来館者数の見込みや受け入れ態勢の変化からも、近場レジャーの存在感は高まりつつある。国内旅行にしても近場の温浴施設にしても、今年はどこに行っても人混みは避けられないのかもしれない…。