OPEC UAE脱退で流動化する秩序
アラブ首長国連邦(UAE)が1日、石油輸出国機構(OPEC)から脱退し、約60年の歴史に終止符を打った。
ペルシャ湾岸諸国の紐(ちゅう)帯(たい)ともなってきたOPECは大きな転換点を迎えた。中東の秩序が流動化する可能性が大きい。日本は原油の安定調達に向けて、新たな戦略を練る必要がある。
OPECは1960年にサウジアラビア、イラン、イラク、クウェート、ベネズエラの5か国で結成された。原油価格の維持などが目的の国際的な産油国カルテルだ。UAEは67年に加盟した。
73年の中東戦争時に原油価格を引き上げ、第1次石油危機を起こすなど、強い価格支配力を誇ってきた。世界市場に占めるシェア(占有率)は約3割に低下したものの、2025年の生産量は日量2800万バレルにも上っている。
離脱の背景には、サウジとの対立がある。サウジは原油価格の維持を重視し、協調減産を主導してきたが、国際金融都市のドバイなどを抱えるUAEは、増産による経済成長を志向してきた。
UAEの離脱が衝撃的なのは、OPECで4位の産出量があるからだけではない。生産余力がサウジに次いで大きく、OPECが価格支配力を行使する際の要だったためだ。OPECの市場に対する影響力の低下は避けられまい。
ホルムズ海峡が事実上封鎖されている現状では、供給制約の解消は難しいが、UAEは、いずれ増産に動くとみられている。その際には、価格の乱高下など原油市場が不安定化する懸念もあろう。
OPECは産油国と消費国がともに発展するために、今後も市場の安定に注力してもらいたい。
UAEの脱退には米国のイラン攻撃も大きく影響している。イランは米軍施設の存在を理由に、最も大きな攻撃をUAEに加えた。イランに比較的寛容なサウジとの温度差は鮮明となり、ペルシャ湾岸諸国の間に亀裂が入った。
複雑な利害関係を抱える中東をまとめてきたOPECの揺らぎで不安定な状況は長期化しよう。日本には新たな中東情勢を踏まえた原油調達の戦略が求められる。
まずは原油輸入量の4割超を占め、最大の輸入元であるUAEとの連携を強化したい。日本は、UAEとは長年にわたり良好な交流を続けてきた歴史がある。日本が様々な経済分野で協力し、互恵的な関係を築く余地は大きい。
日本の中東への原油依存度は9割を超える。米国など調達先の多角化を進めることも必須だ。
