「うつ病を予防」するために避けたい考え方や生活習慣はご存知ですか?【医師監修】

幸せホルモンとは?Medical DOC監修医が幸せホルモンの効果・増やす食べ物などを解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「幸せホルモン」ってどんなホルモン?増やす食べ物や増やし方を医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

「幸せホルモン」とは?

私たちの体の中では、「ホルモン」と呼ばれる物質がつくられ、体の活動の調整をしています。このホルモンの中には、心を安定させたり、幸福感や達成感、高揚感などを感じさせるような「幸せホルモン」と呼ばれるホルモンがあります。この幸せを感じさせてくれるホルモンについて今回はお話ししましょう。

幸せホルモンの1つ「セロトニン」とは?

まず幸せのホルモンの1つ目は「セロトニン」です。セロトニンは、脳内の神経伝達物質の1つで、視床下部や大脳基底核、延髄などに分布しています。セロトニンの働きは、喜びや快楽に関わり放出されるドパミンや恐怖や驚きなどで放出されるノルアドレナリンをコントロールし、精神を安定させることです。
セロトニンが低下すると、ホルモンのバランスが不安定となり、攻撃性が高まったり、不安やうつ症状などの精神症状が引き起こされたりします。

幸せホルモンの1つ「オキシトシン」とは?

次の幸せホルモンは、「オキシトシン」です。オキシトシンは脳内の視床下部で作られています。このオキシトシンは、神経伝達物質で不安の軽減や共感、他者への信頼感に関与することが分かっています。人とのつながりや信頼、安心感と深くかかわっているため、愛情ホルモンや絆ホルモンとも呼ばれています。

幸せホルモンの1つ「ドーパミン」とは?

3つ目の幸せホルモンは「ドーパミン」です。ドーパミンは、脳が興奮すると、脳内の線条体と呼ばれる部位から大量に放出されます。このホルモンは、運動機能、意欲や快楽に関連する行動を担っています。目標を達成したときやご褒美、楽しく活動している時にやる気や達成感、快楽をもたらしてくれるのです。

幸せホルモンの1つ「β-エンドルフィン」とは?

4つ目の幸せホルモンは「β-エンドルフィン」です。β-エンドルフィンも脳内で働く神経伝達物質の一種です。このホルモンは、脳内麻薬とも呼ばれ、気分の高揚や多幸感、鎮痛作用をもたらします。ランニングなどで運動をつづけた時に感じる、ランナーズハイなどがこの状態に当てはまります。

幸せホルモンが分泌されると体にどんな効果がある?

幸せホルモンは気分だけではなく、睡眠やストレスへの反応など身体にさまざまな影響を与えます。

気分の安定

幸せホルモンの中で主にセロトニンやオキシトシンは、心の安定や不安症状の軽減をもたらします。しかし、一つのホルモンだけではなく、互いのホルモンがバランスをとりながら身体や精神の状態のバランスを調整しています。

意欲の増加

幸せホルモンの中でドーパミンは意欲を高める効果があり、意欲を高めて課題への取り組みを達成させることにつながります。

睡眠の質や日内リズムの安定

セロトニンの作用により、睡眠の質の向上や日内リズムが安定するようになります。この作用により自律神経のバランスが安定し、健康状態が保たれるようになります。

幸せホルモンを増やす可能性の高い食べ物

幸せホルモンの中で特にセロトニンは、食べ物との関連が報告されています。セロトニンを合成するには、食品の中の必須アミノ酸であるトリプトファンやビタミンB6の摂取が重要であると言われています。食品の中でトリプトファンが多い食品をご紹介しましょう。

大豆製品

大豆や大豆を加工して高濃度にした大豆たんぱく製品はトリプトファン含有量が多く、お勧めの食品です。乾燥大豆は100gあたり500~600mgと多くのトリプトファンを含みます。豆腐や納豆、豆乳、きな粉もお勧めの食品です。特に納豆はトリプトファンに加えてセロトニンの合成に必要なビタミンB6も含まれるため、食事に積極的に取り入れましょう。

乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)

乳製品も多くのトリプトファンが含まれています。チーズの種類により含有量は異なりますが、パルメザンチーズのような硬質チーズは100gあたり約1000~1200mgと少量でも多くのトリプトファンが含まれるため、取り入れると良いでしょう。そのほかにも牛乳やヨーグルトを普段の生活に取り入れてみるのもお勧めです。しかし、多く食べすぎると、悪玉コレステロールの上昇を招くこともあるため気をつけなければなりません。

魚介類

魚介類もお勧めの食材です。かつお節や煮干しのように乾燥させた食材は、トリプトファンが多く含まれます。かつお節には100gあたりトリプトファンが約800~1000mg程度と含有量が多く、おひたしなどにふりかけたりして取り入れると良いでしょう。そのほかにマグロの赤身や鮭、あじなどの刺身もお勧めです。

肉類

鶏むね肉、豚ロースや牛もも肉などの肉類にもトリプトファンが多いです。例えば、鶏むね肉には100gあたり約290mgと比較的トリプトファンが多く含まれます。鶏むね肉にはビタミンB6も多く含まれるため、食事に取り入れてみましょう。

「幸せホルモン」についてよくある質問

ここまで幸せホルモンについて紹介しました。ここでは「幸せホルモン」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

恋をすると幸せホルモンは分泌されるのでしょうか?

伊藤 陽子(医師)

恋をすると、ドーパミン、オキシトシンなどの幸せホルモンが分泌される可能性があります。これにより興奮や多幸感、絆の形成などが起こります。

オキシトシンが分泌されやすい行動について教えてください。

伊藤 陽子(医師)

オキシトシンは親しい人とのスキンシップで分泌されやすくなります。特に家族や恋人、親しい友人とのハグなどのスキンシップが良いでしょう。

まとめ 幸せホルモンを分泌させて気持ちを安定させよう

幸せホルモンとは、セロトニン、オキシトシン、ドーパミン、βエンドルフィンを言います。これらのホルモンが分泌されると、気持ちが安定したり、信頼感、安心感、多幸感などを感じるようになります。
これらのホルモンを分泌させるためにも、生活のリズムを整えることが大切です。

「幸せホルモン」と関連する病気

「幸せホルモン」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

精神科系

統合失調症

セロトニン症候群

うつ病

幸せホルモンと病気が直接関係していないことも多いですが、上記の様な病気の場合にはホルモンのバランスが崩れている可能性も考えられます。

「幸せホルモン」と関連する症状

「幸せホルモン」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

心の安定

多幸感

達成感

信頼感

興奮

幸せホルモンにより上記の様な症状が出て、精神的にも安定するようになります。幸せホルモンをなるべく分泌させることで心の安定をはかりましょう。

参考文献

厚生労働省.セロトニン.

厚生労働省.重篤副作用疾患別対応マニュアル.セロトニン症候群

日本精神神経学会.統合失調症について