光と影の芸術 シルバーアクセサリーの世界【徳島】
都会的でスタイリッシュ、大人の色香漂うシルバーアクセサリーの世界。
その魅力にとりつかれ、20年近くシルバーアクセサリーを作り続けている男性が徳島市にいます。
その職人技にカメラが迫りました。
銀色の眩い輝きと黒くくすんだ陰りの織りなす明暗が、大人の色香を引き立てます。
そんなシルバーの魅力に取りつかれた1人の男性、今では珍しい手作りにこだわっています。
徳島市大和町の住宅街の一角にある「シルバースラッシュ」。
店内にはシルバーアクセサリーが、ずらりと並んでいます。
店の奥で黙々と作業をしているこちらの男性、志摩英也さん44歳です。
県内でも珍しい、シルバーアクセサリー専門の職人です。
自分の店を構えて、もうすぐ20年を迎えます。
(シルバースラッシュ・志摩英也さん)
「きっかけは友達のアクセサリー、買いたいのについていって」
「(店の)裏で教室やっていて『作れるんだよシルバーは』と教えてくれて」
高校時代、何気なく出かけたショッピングがきっかけで、その魅力に引き込まれました。
7年間の修行を経て、24歳の時に独立。
当初はアルバイトをしながらの職人稼業でしたが…。
今ではオリジナルブランド「スラッシュ」を全国に展開。
自らの地位を確立しました。
(シルバースラッシュ・志摩英也さん)
「ほとんどこのワックス(ろう)、これからかたちを作っています。こういう感じで彫っていって柄をつけて」
志摩さんが得意とするのは「ロストワックス技法」。
ろうを成形したものから石膏の型をとり、銀を流しこんでアクセサリーの原型を作ります。
(シルバースラッシュ・志摩英也さん)
「これがそのままシルバーになるんで、結構細かいところまで出る。完璧にできるだけ作っている方が良い」
「手作りだと活字じゃないし字の癖とか出る、手彫りの温かみにつながっている」
ミリ以下の緻密さが要求される繊細な作業。
型を造るだけで3日以上、完成までには1か月ほどの時間を要します。
型どれたピカピカのシルバーを薬液へと浸します。
すると、黒く変色しました。
いわゆる「いぶし銀」です。
(シルバースラッシュ・志摩英也さん)
「黒くして陰影をつけてデザインをはっきりさせる。金とかプラチナは黒くならない。そこがシルバーの一番良い特徴」
再び磨き直しを経て、完成したのがこちら。
(シルバースラッシュ・志摩英也さん)
「徳島と高知をつなぐ国道55号のデザイン、55号のルートが彫られてある」
「地元っぽいものを作りたいと思い」
自身のブランド「スラッシュ」には、「切り拓く」という意味が込められていて、恐竜にライオン、ピストルなど攻撃的なモチーフの作品が並びます。
根底にあるテーマは「生き抜くための手段」。
(シルバースラッシュ・志摩英也さん)
「ずっと練習、今も別にもっとうまくなろうと思ってやっている、一生かけて修行」
「お疲れ」
しかし最近、作風に変化が訪れています。
妻で書道家でもある、絹恵さんの存在にインスパイアを受けたのかもしれません。
(妻・絹恵さん)
「カッコイイ感じだったが、出会ったころのアクセサリーは。最近それに疲れてきて、かわいいのが好きと言いだした」
(シルバースラッシュ・志摩英也さん)
「まあどっちもやるよ、たまに作風がっつり変えたものやりたい」
(妻・絹恵さん)
「恐竜の絵を遊びで描いて、上手に描けたと言ったら作ってくれた。平面なのを立体にできるなって。すごいな」
店にはシルバー好きが次々と集まります。
(客)
「チェーン直してもらおうと思って」
こちらのお店では修理やオーダーメイドなど、顧客のあらゆる要望に応じてくれます。
(客)
「ありがとうございます、きれいに直っている。これなら自分で着けられるかも」
(シルバースラッシュ・志摩英也さん)
「こんな感じでどうですか?」
(シルバースラッシュ・志摩英也さん)
「会話して楽しい、やっぱり対人でっていうのが大事。自分一人で自分の好きなものだけ作っていたら、そんなに上手くはなれない」
「地元に全然(店が)ないのも寂しいし、ずっとやっていきたい」
シルバーに刻まれた光と影。
それはまさに身に着ける人の人生そのもの。
鈍い光を放つシルバーアクセサリーの一つ一つに、職人の魂が込められています。
志摩さんはお店で彫金教室も開いていて、自分と同じようにシルバーを1から学びたい人に技術を伝えています。
手作りの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
