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 街中を真新しいスーツ姿の若者たちが行き来するこの時期。東京・浅草の“笑いの殿堂”では、新たな試みが波紋を広げている。

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【写真を見る】塙の勧誘で漫才協会に入った「意外な芸人」とは?

2部制を導入

「毎月1日から19日まで、漫才協会は浅草の東洋館で『漫才大行進』という興行を打っています。今年3月までの営業時間は12時半から17時までの4時間半、通しの営業で入場料は3000円。いつ来て、いつ帰っても構わないというスタイルでした。それを今月1日より、正午から14時までを第1部、15時から17時までを第2部とする2部制に変えました。それぞれ3000円を徴収する仕組みです」

 とは都内の演芸場関係者。東洋館の正式名称は「浅草フランス座演芸場東洋館」で、前身は日本がサンフランシスコ平和条約に調印した1951年に開設された「フランス座」。若い頃に渥美清(故人)や萩本欽一(84)、ビートたけし(79)らが修業時代を送ったことでも知られる、都内屈指の老舗演芸場である。

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「2部制の導入を主導したのは、漫才協会会長を務めるお笑いコンビ・ナイツの塙宣之(48)です。3年前に会長に就任して以来、精力的に知己の芸人らを勧誘しており、現在の会員数は200人を超えるまでに増えました。塙は協会にとって大功労者ですよ」(同)

予想外の苦境

 その塙は一昨年春、漫才協会に所属する芸人の姿を追ったドキュメンタリー映画「漫才協会 THE MOVIE 舞台の上の懲りない面々」で監督を務めた。いまも大衆芸能へのテコ入れに奔走するが、今回の東洋館における改革では予想外の苦境を招いてしまった。

「経営健全化に向けたアイデアが豊富な塙は“5時間近くも芸人が入れ代わり立ち代わりを続ける興行は長過ぎる”と考えたとか。ところが現時点でこの試みは失敗と言わざるを得ません。東洋館は閑古鳥が鳴いており、深刻な観客離れに陥っているからです」(前出の演芸場関係者)

 事情を知る関係者が言う。

「今月9日、塙は自身のYouTubeチャンネルに『助けてください。東洋館が大変です』とのタイトルで動画をアップ。そこで彼は“私が先導したんですが、いまのところは大失敗でして”と明かしました」

 東洋館の座席数は202。定休日はなく、これまで1日平均100人前後の観客でにぎわっていたという。

「続けて塙は“この前の1部は9人。2部も50人ぐらいしか入っていなくて。今までは100人ぐらいはいたんですけど、ヤバいなって”とも。さらに“本当に助けてください。メンバーを見て入る、入らないを決めるのはやめましょう。全員面白いですから”と切実に訴えていましたよ」(同)

実質的な値上げ

 客離れの要因は実質的な値上げにあるとみられる。

「営業形態が変わってからは、3000円で2時間しか楽しめなくなりました。1部と2部の両方を見るには、これまでの2倍の料金を支払わなくてはなりません。気軽に入ることをためらう観光客も多く、さらには連日のように足を運んでいた高齢者たちの姿も遠のいてしまいました」

 塙が漫才協会会長として深刻な問題に直面する一方、相方の土屋伸之(47)の活動は順調そのものだ。

 芸能デスクが解説する。

「土屋は今年の春から大学で美術を学び始めました。進学先は日大芸術学部の美術学科。絵心のある土屋はテレビ番組で競馬のワンシーンや競走馬の姿を描いた作品を披露してきましたが、実力は玄人はだしなんです。2年前から“大学で学びたい”と、美術専門予備校に通って腕を磨いていた。昨年は東京藝術大学を受験して不合格でしたが、ようやく念願がかないましたね」

 東洋館で絵画教室でも開いてみますか。

「週刊新潮」2026年4月23日号 掲載