FBS福岡放送

写真拡大 (全5枚)

福岡県嘉麻市の福祉施設に入居していた幼い姉妹が死亡し、母親が殺人の疑いで逮捕された事件です。母親が、隠れて同居していた内縁の夫と「一緒にいるのが嫌になった」という趣旨の供述をしていることが分かりました。それがなぜ、悲惨な事件につながったのでしょうか。

福岡県嘉麻市の母子生活支援施設でことし3月、長女の二彩ちゃん(4)の首を絞めるなどして殺害したとして、4月22日に逮捕された水沼南帆子容疑者(30)。

逮捕前の任意の調べでは、二女の三華ちゃん(3)の殺害もほのめかしていました。

2022年ごろ、姉妹の実の父親でもある内縁の夫がDVで逮捕されたのをきっかけに、二彩ちゃんと施設で暮らし始めた水沼容疑者。三華ちゃんは施設に入ったあと、生まれています。

母娘3人での暮らしかと思いきや。DV加害者の内縁の夫も、施設でおよそ3年間、隠れて同居していたことが分かっています。

ほぼ外出しなかったという内縁の夫を、自らの収入で養っていたとみられる水沼容疑者。

施設の職員は月に1回、部屋の立ち入り点検をしていましたが、捜査関係者によりますと、水沼容疑者は点検日程を内縁の夫に教え、その都度、押し入れの中などにかくまっていたとみられています。

逮捕前の任意の調べでは。

『交際以来、初めて嫌いと言われ、死のうと思った』

内縁の夫から、事件前に叱責された際の心情について話したといいます。

また、逮捕後には。

『夫と一緒にいるのが嫌になった』

こうした趣旨の供述をしていることが分かりました。

一方で、事件が発覚した際、水沼容疑者が自らの首につけていた傷は浅く、致命傷を避けたとみられ、警察は無理心中を装って姉妹を殺害したとみています。

一度は内縁の夫と離れた水沼容疑者。なぜまた、共に暮らしていたのでしょうか。

家庭内暴力の問題に詳しい広島大学の北仲千里准教授は、DVによる支配の根深さを指摘します。

■広島大学 ハラスメント相談室・北仲千里准教授
「一度怖いとか暴力を受けたから逃げたりしても、逃げてることの方が相手がもっと怖いので戻っていってしまうというのは普通にあるんです。毎日、相手のことを怒らせないように、怒られないように、否定されないように、いつもドキドキビクビクして、 その人のことを中心に生活が回ってしまう状況。」

その上で、事件が起きた背景について、こう推察します。

■北仲准教授
「とても正常ではない状態に長い間なっていた。カルトみたいなものなんですよ。教祖と信者みたいな。大人はそれを選んでしまうと、もしかしたら、なかなかそこから抜け出せないかもしれない。それが子供の死になってしまったところが、つらいです。」

「夫と一緒にいるのが嫌になった」という感情が、なぜ、幼い我が子を手にかけることにつながってしまったのか。

警察は、内縁の夫との長期間にわたる同居が、水沼容疑者の動機に影響を与えた可能性があるとみて慎重に捜査しています。

※FBS福岡放送めんたいワイド2026年4月24日午後5時すぎ放送