ソウル大、日本人留学生受け入れ強化や「AI大学院」新設へ…総長インタビュー
【ソウル=仲川高志】韓国・ソウル大の柳弘林(ユホンリム)総長(64)が読売新聞のインタビューに応じた。
2027年に「グローバル人材学部」を創設し、日本人など外国人留学生の受け入れを強化する方針を明らかにしたほか、AI(人工知能)を活用し、学び方や研究を改革していく考えを示した。
ソウル大は韓国最難関の国立総合大学で、約3万6000人の学生が在籍している。英国の教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が昨年10月に発表した世界大学ランキングでは韓国トップの世界58位につけている。
ソウル大の学部と大学院の正規課程で学ぶ留学生(交換留学生を除く)は昨年4月時点で94か国・地域の1136人。出身国・地域別では、中国(400人)が最多で、モンゴル(65人)、ベトナム(63人)、インドネシア(60人)、米国(49人)と続く。日本(24人)は9位となっている。
柳氏は「韓日は戦略的パートナーだとの共通認識が広がる中、両国の学生交流は重要だ」と強調し、将来、日韓関係を支える人材になり得る日本の若者らにソウル大への留学を呼びかけた。「ソウル大卒業生は韓国社会で多くの重要な役割を担っており、今後も担い続ける」と述べ、人脈構築などのメリットがあるとした。
ソウル大によると、創設するグローバル人材学部は4年制で、外国人学生が対象だ。1〜2年生は韓国語習得や学生生活などで大学から支援を受け、2年生の途中に専攻を選ぶ。定員は初年度は36人程度を予定する。
正規課程で学ぶ日本人留学生の受け入れ拡大を巡り、ソウル大は同学部創設のほか、ソウル大に通う日本人留学生をメンターに任命してサポート体制を充実させることも検討中だ。昨年と今年は日本で開催される留学博覧会や大学入試制度をテーマとしたセミナーに参加するなど、広報も強化する。日本の大学との共同研究や学術交流も近年、旧帝大や一橋大、慶応大、早稲田大などと活発に行っているという。
ソウル大の進む方向性について、柳氏は「世界が大きく転換する時代を先導する学問共同体を目指す」と強調。「ソウル大はAIの研究者が多い上、幅広い学問領域をカバーしていることが強みだ」とし、「AIを活用し、人類の難題の解決に積極的に挑んでいく。世界最高のAI先導大学を目指す」と話した。
具体的には、全ての学生がAIを使って学ぶ環境を整備する「AIネイティブキャンパス」構想や、AIを多様な学問分野と組み合わせ、産業や社会に革新をもたらすことを目指す「AIプラスX」プロジェクトを推進する考えを示した。プロジェクトの方向性に沿った専門研究を行う「AI大学院」を2027年に新設する方針も明かした。
世界大学ランキングについては、「世界中の大学と比較されることで弱点を把握でき、克服に向けた努力が大学の発展につながることもある」と述べた。その上で、「国家や社会から投資を引き出し、同時に我々も教育・研究を改革する努力を行う必要がある。これがきちんと進めば、10年以内に10位圏内に入ることはできる」と語った。
柳氏は4月6日、ソウル大冠岳キャンパスで取材に応じた。
