このチームスピリットは、フリックのプロジェクトが正しい方向に向かっていることを裏付けている。すでにスーペルコパ・デ・エスパーニャを制し、ラ・リーガ連覇への道を突き進んでいる。CLでは準々決勝、コパ・デル・レイでは準決勝で散ったが、CLについてはヘラルド・マルティーノやルイス・エンリケの時代にも通った道だ。
 
 モンジュイックへの一時移転中に産声を上げたこの新世代が成熟し、勝負の機微を学び、欧州の舞台でその哲学を結実させるには、もうしばらくの時間と、いくばくかの補強が必要だ。

 いずれにせよ、この若きバルサが示した振る舞いは、非の打ち所がないものだった。野心に満ち、エンブレムの尊厳を保ち、自らの理解するフットボールを信じ抜き、自分自身を裏切ることなく戦い抜いた。その純白なまでの戦いぶりは、勝利も敗北も、同じように鮮やかに語り継がれるだろう。バルサのこの敗退は、結果としてアトレティコの格を際立たせることになった。

 フットボールの神は、今なおバルサの側にある。しかし、結果という果実は、依然としてアトレティコのような熟練したチームの掌中にある。彼らはディテールを支配し、一瞬の隙を突き、CLのような紙一重の勝負を制する決定的な局面を熟知している。

文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)

翻訳●下村正幸

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