老後の住まいは持ち家と賃貸どちらがいい?FP横山光昭「持ち家は安心。しかし将来的に高齢者施設に入居する予定なら…」
定年が近づくにつれて、定年後のお金のことで不安になってくる人は多いことでしょう。しかし、家計再生コンサルタントの横山光昭さんは、「わからないから不安なのであって、お金の実態がわかれば、解決策もおのずと見えてくる」と語ります。そこで今回は、横山さんの著書『定年後のお金が心配になったら 知りたいことが全部のってる本』より、定年後のお金をふやす方法をご紹介します。
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終の棲み家をどうするか メリット・デメリットを検討
老後だけ考えると持ち家が安心
老後の住まいに賃貸を選ぶか、持ち家を選ぶかは、意見が分かれるところです。
持ち家は、住宅ローンが終われば家賃負担がないのが最大のメリット。一方で、修繕費や改修費でまとまったお金が必要になることも。一軒家の場合は、高齢になると、階段の上り下りや庭の手入れも大変です。
賃貸は、修繕費やリフォーム費用は不要。心身の状況にあわせてコンパクトな部屋に引っ越したり、高齢者施設への入居も身軽に行えます。ただ、家賃がかかり続けること、高齢になると入居を断られる可能性があることが、最大の不安材料。その点では、持ち家のほうが安心といえるでしょう。
50代の購入や改築は慎重に!
ただし、いま賃貸住まいの50代の人が無理に家を買うのは考えもの。
無理にローンを組んだり、現金で家を購入して老後資金が乏しくなるなら、老後も家賃を支払うために貯蓄や投資で備えたほうが無難です。

『定年後のお金が心配になったら 知りたいことが全部のってる本』(著:横山光昭、イラスト:ホリグチイツ/主婦の友社)
貯蓄を老後資金、家の購入資金、施設入居資金、それぞれにどう分配するか、ライフプランと照らし合わせて判断しましょう。
持ち家を改築する場合も、将来の施設入居などに配慮した予算に収めるのが鉄則です。
親と同居していれば自宅の評価額は最大8割引きになる
親と同居で評価額が8割減額に
地価の高い都市部に実家があると、相続税を心配する人もいますが、条件を満たせば、「小規模宅地等の評価減の特例」で一定の面積まで評価額が最大8割減額に。
その条件とは、相続するのが(1)配偶者、(2)亡くなった人と同居していた親族、(3)(1)(2)がいない場合、3年以内に持ち家に住んだことがない子どもや親族。
節税のためだけに親と同居を考える必要はありませんが、同居を検討する際に考慮したい事項の一つになるでしょう。また、持ち家がない子どもが自宅を相続し、金融資産は残りのきょうだいで分ける、という方法も考えられます。
古い実家を売るなら今のうちに
親の家を相続しても、住まないまま空き家になるケースも増えています。そこで、2027年12月31日までの期限付で、「空き家特例」が設けられました。条件が合えば、通常20〜39%の不動産売却の利益にかかる税金が最高3000万円まで非課税に。
昭和56年5月31日以前に建てられた家(旧耐震)であることが条件の一つで、空き家を取り壊すか耐震改築をしたあと、またはする前提での売却、が対象。相続した家を売るつもりなら、特例がある今がおトク!
※詳しくは、国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」で確認を。
知っ得! 空き家を放置すると、固定資産税が6倍になる!?
通常、敷地面積200平方メートル以下の居宅用不動産は、固定資産税が6分の1になるなど税金が軽減されます。でも、空き家を放置して倒壊の危険などから自治体に「特定空家等」と認定されると、軽減措置がなくなり、税金が大幅増に。相続して住まない家は、早めに売却が正解!

<『定年後のお金が心配になったら 知りたいことが全部のってる本』より>
※本稿は、『定年後のお金が心配になったら 知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。
