とばっちりを受けたUAEの石油貯蔵施設(C)ロイター=共同

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 タイムリミットまで残り5日。米国とイスラエルが仕掛けた対イラン軍事作戦の停戦期限である22日(米東部時間21日)が刻々と迫っている。原油高騰に冷や汗タラタラのトランプ大統領は戦闘終結宣言を急ぎ、一両日中の協議再開をにおわせているものの、どうなるか。誰も望まない泥沼化に陥れば、家計逼迫の夏は避けられない。

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 国際指標のWTI原油先物は対イラン軍事作戦開始以降、およそ4割も上昇。1バレル=100ドルを挟んで乱高下している。石油関連製品の供給不安が高まる中、東京商工リサーチ(TSR)が原油価格高騰に関する企業アンケート調査を行った(3月31日〜4月7日実施、有効回答6135社)。それによると、WTI先物が100ドルを超える状況が続いた場合、1年前と比べたコスト負担は「20%以上25%未満」が18.2%で最多。コストが中央値の20%分増加すれば、全体の経常利益率は単純計算で18.3ポイント減のマイナス10.1%に下落し、赤字に転落するという。

 存続がかかる企業の打つ手は限られる。値上げか、人員整理か、事業縮小か。61.8%が「商品やサービスの値上げを行う」と回答し、「雇用・人員体制の見直しを検討する」は12.7%、「一部事業の縮小を検討する」が9.7%で続いた。競争力のある大企業ほど値上げに積極的だという。価格転嫁までどれくらいの期間がかかるのか。「1〜3カ月」が最多の51.3%を占め、「4〜6カ月」は20.8%、「7〜12カ月」が11.8%。「すでに値上げしている」は12.6%だった。

 TSR経済研究室の平島由貴氏はこう指摘する。

「価格転嫁の時期をめぐっては、契約から納品までの期間が短い小売業や卸売業は早く、年間契約の多い情報通信産業や一定の繁忙期がある農・林・魚・鉱業は遅い傾向が見られました」

 足元の混乱だけでも夏に向けて価格転嫁が本格化し、収束しなければもう一段、二段の値上げに襲われる可能性がある。

 国際エネルギー機関(IEA)の石油市場報告(14日発表)によると、3月の世界の石油供給量は日量9700万バレル。前月比で日量1010万バレルも減少し、世界需要の約1割に相当する規模に及んだ。ホルムズ海峡からの輸出は約1割にまで激減し、4月の世界の供給量はさらに290万バレル減る見通しだ。

 トランプによれば「4〜6週間」で終わるはずだった対イラン作戦は、間もなく8週間突入だ。

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