近年、乳児遺棄の事件が相次いでいる。先月29日、名古屋市ネットカフェの個室で赤ちゃんの遺体が見つかり、現場にいた20歳の女性が死体遺棄の疑いで逮捕され、容疑を認めている。

【映像】赤ちゃんの遺体が見つかったネカフェ個室(実際の映像)

 17日には埼玉県行田市で、生んだばかりの赤ちゃんの遺体を、自宅の敷地内に埋めたとして、15歳の少女が逮捕された。「部屋に赤ちゃんを隠しておけないと思い、埋めた」。少女は、赤ちゃんを1人で産んだと話しているという。

 そんな報道が相次ぐ中、Xでは「母親だけを逮捕して、男は放っておくのか?」「原因を作った父親出てこい」など“男性の責任”について指摘する声が多くあがっている。

 なぜ望まない妊娠と出産、そして乳児遺棄のような事件が起きてしまうのか。防ぐには何が必要なのか。この問題に一石を投じている書籍『射精責任』を翻訳し、日本で出版した編集者とともに『ABEMA Prime』で考えた。

■「LINEブロックで逃げられる」男女の不均衡

 書籍『射精責任』を翻訳した編集者、藤澤千春氏は、妊娠中絶をめぐる男女の圧倒的な不均衡を指摘する。「女性は妊娠から途中退場することはできない。仮に中絶を選ぶにしても、心身のダメージや経済的なダメージ、どこの病院を選んで、どういう決断をすべきか、痛みも全て女性が引き受ける。男性に関しては極端な話、LINEブロックしちゃえばそのまま逃げることができてしまうところに男女の不均衡がある」。

 15歳の少女のケースについては、「もちろん赤ちゃんが亡くなっているから、その責任は取らなければいけない。一方で、15歳の子もまだ大人の保護にあたるべき人間だ。どうして社会が支援につなげられなかったのか」と訴えた。

 この問題について、「午前0時のプリンセス」の聖秋流(せしる)は、「(赤ちゃんを)施設に入れる選択肢もあると思う。1つの命を亡くしてしまう行動は、犯罪に問われて女性が捕まってしまうが、男性側が状況を知っていたにも関わらず逃げたのなら、確実に男性の責任だと思う」との見方を示した。

■「今すぐにでもペナルティを作るべき」

 SEKAIA株式会社CEOの薄井シンシア氏は、性教育の面で、「男の子にはなるべく早く避妊具を渡すべきだ。また、性交したら赤ちゃんにつながることも教える。あともう1つは、DNA鑑定でもなんでもいいから、父親の方も追求しなくちゃならない」と訴える。

 リディラバ代表の安部敏樹氏は「10代女性の妊娠相手が、30代や40代の男性である場合が結構ある。社会的な制度が必要だ」と付け加えた。

 『午前0時のプリンセス』のプロダンサー・JESSICAは、「男性を一括りにしているが、責任感があってしっかりしてる方々ももちろんいる。だから『男性が、男性が…』っていうのも違うと思っているが、こういう事件がいっぱいあって、苦しんでる方々がいる。そして未来があった子どもたちが、そういう風になってしまっていることで、今すぐにでも何かペナルティを作った方がいい」と語った。

■「射精をコントロールするのは男性の責任」

 藤澤氏は、生物学的な観点から、「女性は自分がいつ排卵してるかなんて感じることもできないし、予測も非常に難しい。それに対して男性は、射精自体もそうだし、どこに射精するかもコントロールできる。自分の体液を管理していただくのが男性の責任なんじゃないか」と強調する。

 対策について、「避妊具はコンビニでも薬局でも買えるが、大学や高校のトイレに無料で置く取り組みを考えてもいいと思う。また男性たちも飲み会などで『生で性交して気持ちよかった』みたいなジョークを聞いたとき、『同意はしたのか?』『恥ずかしいことじゃないのか?』ということを働きかける」。

 また、「お子さんがいらっしゃるご家庭のお父さんたちは、しっかり育児に参加して、いつでも相談に乗れる、あるいは助言できる関係性を築いているかどうか。思春期になって然るべき時になったら性教育を行う準備があるかどうかだ。そういうことをやるのも、男性としての責任を果たすことにもなる」とした。

 (『ABEMA Prime』より)