【Mr.tsubaking】「1杯320円」「替玉をしても500円以下」…安かろう悪かろうではない、激安ラーメンチェーンの実力
ラーメン1杯、たった320円という驚きのラーメンチェーンが九州にある。
野菜や肉、さらには私たちの食事の中心でもあるコメまでが物価高の波に乗っており、自炊しての食事でさえも節約に気を回さなくてはならない昨今。
すると必然的に、外食を控える傾向に動くものだが、たった320円でラーメンが食べられるのであれば、話は別である。
一体、どんなラーメン店で、味や量はどうなのか。実際に訪れてみた。
とんこつラーメンが「日常食」である文化
福岡県を中心に6店舗を展開する「博多ラーメン 膳」。入り口に掲げられた「ラーメン 320円」という文字が目を引く。
物価が上がり続ける昨今、ラーメン業界でも数年前までは「1000円の壁」という言葉も飛び交っていたが、今では1杯1000円を超えるラーメンも少なくない。
そんな時代にあって、この安さでラーメンを提供しているのは驚きでもあり、消費者にとってはこの上なくありがたい。
また、福岡で生まれ育った筆者は「博多ラーメンは、おやつ以上食事未満」という感覚を持っている。
食べ盛りの学生時代に感じていたことが元になっているため、今は十分に食事にもなり得るが、ここ20年ほどでとんこつラーメンが全国区になった。そのため、ありがたいものになってしまったことに、多少の違和感もある。
その点から考えると、320円のラーメンはとんこつラーメンのソウルフードであり日常食である姿を残しているとも言えるだろう。
320円ラーメンの実力とは?
注文したのは、基本メニューとなる「おいしいラーメン」。
見た目にもしっかりとした芯があるようにうかがえるとんこつスープに、ネギとチャーシューが乗っており、とんこつラーメンの基本的なビジュアルといった風情だ。
麺は、いわゆる全国区になった「一蘭」「一風堂」などよりはひとまわり太いが、ツルッとすすれる滑らかさがあり、口当たりも心地よい。
スープも一口すすれば、しっかりとパンチのあるとんこつで物足りなさもない。特徴的なのは、かえしに使われる醤油の甘み。福岡と佐賀の原料のみを使用した独自ブレンドの醤油を使っているとのことで、甘めの醤油を好む九州人の口にはよく合う。
チャーシューも程よく味わいがしみていてジューシー。その秘密は、工場で切ったものを納品しているのではなく、厨房にある機械で営業中に切っていること。
さすがに、切りたてとはいかないものの、パサつきがなく満足感の高いチャーシューになっていた。
少食の方であれば、320円のこの1杯で十分に満足できるが、お腹いっぱいになりたければ「替玉」(100円)は必須だろう。
替玉をスープに投入した瞬間は、まだスープと麺が馴染みきっていないため、麺の個性が一番感じられる。
実は同店の運営は「昭和食品工業株式会社」という製麺事業を中心としている会社だ。
そのため、同店の麺も自社工場で作られた自家製で、噛んでみると小麦の香りも立つ。安かろう悪かろうではない、率直に「美味しい」と思える麺を提供しているのだ。
また、「半替玉」(80円)の設定もあり、替玉をするほどではないが、もう少し食べたいというニーズにもアプローチしてくれている。
さらに、380円で「大盛りラーメン」というメニューもあり、ラーメン+替玉よりもリーズナブルに満腹になれるので、学生などにも喜ばれているようだ。
すべてのラーメンが500円以下で食べられる!
基本のメニュー「おいしいラーメン」は確かに320円だが、その他に、もやし・辛子高菜・旨辛・ネギなどトッピング系のラーメンもラインナップされている。
その全てがワンコイン(500円)以下という安さで、丼にぐるりと一周分のチャーシューがのった「チャーシューメン」でさえも480円なのは驚きだ。
この価格帯であれば、躊躇なくトッピングも注文することができ、満足度も高い。
替玉をしてもなお、1杯1000円のラーメンを食べるのと比較して500円以上の差が生まれる。まして、家族で利用となればその差額は数千円になってくる。そのため、観光客が行列をなす有名チェーン店とは違い、週末ともなれば各店は地元の家族連れで賑わっている。
まさに、九州の日常にあるラーメン店として、愛されているのだ。
廉価でラーメンを提供し、地元に密着した「博多ラーメン 膳」の実力は、安くても美味しく量も満足のいくものだった。
後編記事『《1杯320円》激安ラーメンチェーン運営企業の思い…「週刊誌と同じ感覚でラーメンを楽しんでもらいたい」』では、このラーメンを提供する運営会社社長の思いと、その他の日常系博多ラーメンとの棲み分けについて深掘りする。
