「売春防止法」は時代遅れ…… 風営法の規制と監視でセックスワークが合法産業の日本は世界でも特殊
東京・新宿区歌舞伎町の新宿東宝ビル周辺“トー横”には、家庭や学校に居場所がない10代~20代前半の若者たちが集まってきて、事件に巻き込まれるなどして社会問題化していた。しかし、現在は「KABUKICHO KITCHENCAR PARK」というキッチンカーが集まるイベントが行われ、“トー横キッズ”がたむろできない状態になっている。
主催の一般社団法人歌舞伎町タウン・マネージメントの公式サイトによると、「キッチンカー設置による道路利活用の試行実験」だという。歌舞伎町から犯罪を撲滅して賑わいのある街へと変わっていくのは喜ばしいことだが、もし問題を抱える若者たちがトー横近隣に散らばっただけだとすれば、根本的な解決にはならない。
例えば、歌舞伎町の大久保公園周辺で、売春のための客待ちをしたとして、2025年に売春防止法違反の疑いで現行犯逮捕された女性は112人だった。23年以降は毎年100人前後で推移しており、高止まりしている。平均年齢は25歳で、最年少16歳、10代は14人いた。
「売春防止法」(1956年制定)は誤解が多い法律だ。対価を得て不特定の相手と性交する「売春」を禁止し、それを助長する行為(あっせん、場所提供など)を処罰するものだが、実は、売春・買春そのものに直接的な刑事罰はない。勧誘や場所提供などの周辺行為が罰則対象となる。ソープランドが摘発されるときは、従業員の女性(ソープ嬢)が罰せられるわけではなく、“場所を提供している”という理由で店舗が罰せられている。
戦前まで貧困が原因で人身売買が横行していたが、それを防止するのが法律の目的である。トー横キッズの場合、悪意のある大人によってパパ活や援助交際などの児童売春の被害にあうことがないかがもっとも危惧される。
現在の日本は、風俗営業法による規制と監視のもとでセックスワークが合法産業となっているのが実情だ。
買春者にも罰則導入検討
売春防止法を改正し、「買春者(買う側)」への罰則導入が法務省で検討されている。また、売春防止法そのものについて「時代遅れ」と廃止が妥当との声もある。「弁護士JPニュース」の取材に、前衆議院議員で社会福祉学博士の原田和広氏はこう話す。
「自分の体を売るか売らないかを決めるにおいて、主体は自分です。お金で合意ができているのなら商取引として成り立っています。基本的に大人の売買春を法律で規制するというのは時代遅れでナンセンス。ただし、管理売春だけは例外です。売春防止法が持っている役割として重要なものだと思っています。ですから、管理売春や人身取引、性暴力等を禁止する単独の法律を新しく作り、その中で規制していけばいい」
個人の売買春の問題は、大人の場合は自由意志なので非犯罪化する。逆に子どもの場合は厳罰化する。現在、日本では未成年者を買春することの罪は軽いので、国際水準に合わせて厳罰化していく流れがいいのではないか。
