記事のポイント
ザッツイットは食物繊維量を3段階に分けた新バーを投入し、ファイバーマキシング需要を取り込んでいる。
消費者の体質や年齢に応じた設計と、小売ごとの売り場ニーズに合わせた商品展開を同時に進めている。
GLP-1普及後の栄養重視市場で差別化を図り、年間売上1億ドル超の成長を維持している。


たった2つの原材料を使った噛みごたえのあるフルーツバーで知られるザッツイット(That’s it.)は、新製品で食物繊維の含有量を引き上げている。

2012年創業のザッツイットは、現在年間売上1億ドル超(約150億円)を上げている。

その社名は、同社のバーに砂糖や保存料が一切添加されていない事実に由来しており、Webサイトでは「100%の本物のフルーツを詰め込んだ。それだけ(That’s It.)」と宣言している。

次の成長フェーズに向けて、このスナックブランドは活況を呈する食物繊維市場へさらに踏み込む。

食物繊維量を3段階に分けた新ファイバーフルーツバー



ザッツイットの最新ラインであるファイバーフルーツバーは、同じ製品でありながら食物繊維量の異なる3種類を展開する。

子ども向けに設計されたファンサイズ版は食物繊維2グラム入りである。一方、フルサイズ版は同社がこれまでバーで提供してきたなかで最多となる7グラムの食物繊維を含む。

食物繊維4グラム入りの「中間」ミニサイズはサムズクラブ(Sam’s Club)限定となる。

同社は、3月3日から開催されたエキスポウエスト(Expo West)で新ファイバーフルーツバーラインと同時に、新製品「フルートラ(Fruitola)」も初披露、初展示した。

フルートラはフルーツをベースにした4原材料のグラノーラで、砂糖不使用、植物由来たんぱく質16グラムとフルーツ由来食物繊維7グラムを含んでいる。

新ラインは3月中旬より、ターゲット(Target)、ウォルマート(Walmart)、サムズクラブなど複数の小売パートナーを通じて全米で順次展開される。

「ファイバーマキシング」拡大と95%が不足する現実



ザッツイットのプレジデントであるケイティ・エシュイス氏は、「たんぱく質が依然として王者であることは明らかだ」としつつも、腸内環境の改善や満腹感の促進を目的に、食物繊維摂取量を増やそうとする消費者が増えていると語った。

そのなかには「ファイバーマキシング」のトレンドに積極的に乗る人々も含まれる。

「我々のあらゆる取り組みは消費者インサイトに基づいている。データによれば、米国人の95%が食事から十分な食物繊維を摂取できていないことが示されている」とエシュイス氏は述べた。

食物繊維需要の急増を受け、ザッツイットはレシピとパッケージを微調整したバー製品の拡充をバイヤーに提案しはじめた。

GLP-1受容体作動薬が普及したあとの世界において、クラフトハインツ(Kraft Heinz)やペプシコ(PepsiCo)などの大手メーカーは、1食あたりのたんぱく質や食物繊維などのマクロ栄養素をより強調するようになっている。

「そこで我々はパッケージの表裏に大きく食物繊維量を打ち出した」とエシュイス氏は語る。

「また、既存のコアフルーツバーと新しいファイバーフルーツバーラインとの差別化も図りたかった」。

処方変更で実現した皮由来の自然な食物繊維強化



もっとも、2026年に入り食物繊維がスナック業界の最前線に押し上げられているとはいえ、誰もが大量の食物繊維を不快感なく消化できるわけではないとエシュイス氏は述べる。

多くの健康専門家も、体を慣らすために食物繊維摂取量は段階的に増やすことを推奨している。

新しいファイバーフルーツバーは、同社の人気フルーツバーの進化版であり、クラシック版よりも多くの食物繊維を含む。

「実際のところ、単純な処方変更だったため、我々にとっては比較的容易な取り組みだった」とエシュイス氏は語る。

多くのフルーツの食物繊維源は皮に含まれているため、皮の割合を増やすよう配合を微調整し、自然に食物繊維量を引き上げた。

小売ニーズ別展開と「ハイパーカスタマイズ」時代の到来



これらの異なるバージョンは小売戦略とも連動しており、各フルーツバーは異なる小売業者で発売され、特定の買い物客層を狙っている。

「各小売業者のスナック売り場におけるニーズに基づいて提携した」と同氏は述べた。

たとえばターゲットは、ランチボックス向け商品群として子ども向けパッケージの小型バーを求めていた。

「一方で、ウォルマートと話した際には、より大きなフォーマットが目標で、最低7グラムを求めていた」とエシュイス氏は語る。

MAHA時代に進む「栄養のパーソナライズ化」とライフステージ別設計



スペシャルティフード協会(Specialty Food Association)のトレンドウォッチャーであるカンサ・シェルケ氏は、「メイク・アメリカ・ヘルシー・アゲイン(Make America Healthy Again、以下MAHA)」時代において、たんぱく質や食物繊維のようなマクロ栄養素のさらなる個別化が進むと予想している。

「MAHA時代は、消費者がもはや画一的な栄養を望まなくなっている根本的な変化を目の当たりにしている」とシェルケ氏は述べた。消費者は自身の体質、年齢、目標に合わせて調整された製品を求めている。

「小売業者も買い物客が求めているものに気づいている」と同氏は付け加えた。

この需要は今やサプリメントや医療用栄養食品の枠を超え、主流のスナック売り場にも広がりつつある。

シェルケ氏は、ザッツイットの新しい高食物繊維ラインは、分量と生理的特性の双方で食物繊維を細分化している点で、「ハイパーカスタマイズ」の一例であると述べる。

また、日々の食物繊維摂取量を意識する米国人が増えるなかで、ブランドが適切な顧客とニーズを狙う助けにもなる。

「食物繊維の必要量はライフステージによって大きく異なる」とシェルケ氏は述べる。たとえば4歳から8歳の子どもは1日あたり約17〜20グラムを必要とする一方、成人は年齢や性別に応じて25〜38グラムを必要とする。

「成人にとって7グラムの食物繊維バーは機能的な貢献となるが、同じ量を子どものランチボックスに入れれば実際に消化不良を引き起こす可能性がある」と同氏は語った。

「適切な量設定が重要である」。

エシュイス氏は、ザッツイットにとっての推進力のひとつは「小売業者のニーズに基づいて製品階層と構造を適応させてきたこと」にあると述べた。また、機能性スナック分野における競争激化も、差別化を図る大きな動機になっていると指摘した。

「各製品の食物繊維の量を非常に明確にしたかった。なぜなら、カジュアルな家族向けスナックバーのカテゴリーで、実践しているブランドはまだ多くないからだ」と同氏は述べた。

「より多くの消費者が求めるようになるにつれ、状況は変わっていくだろう」。

[原文:That’s it. launches new fruit bars with varying fiber content as ‘fibermaxxing’ interest explodes]

Gabriela Barkho(翻訳、編集:藏西隆介)