AIは、人に寄り添うもうひとつの知性。Lenovoが描く未来は「AIツイン」
AIが身近な存在になり、日常的に活用することも増えてきました。しかし、まだまだ発展途上の技術。人間は、AIとどのようにして付き合っていくべきか、どのように活用すべきか、まだ手探りの状態です。
それは、AIを提供する側も同じこと。AIが人間にとってどのような存在になるべきか、試行錯誤をしています。
2026年2月17日開催されたカンファレンス「Lenovo Tech World Japan 2026」では、Lenovoが描くAIの未来像、そしてグローバルに展開しているAIの最新ソリューションについての基調講演がありました。その模様をお伝えします。
複数デバイスを横断するパーソナルAI「Lenovo Qira」
LenovoのAIソリューションの中核をになっているのが、「Lenovo Qira(キラ)」です。
これまでは、スマートフォン、PC、タブレット、ウェアラブル端末といった複数デバイス間で、それぞれの体験が分断されてきました。それらを一つのAIで統合するのがLenovo Qiraです。
ユーザーの思考や履歴、短期・長期のコンテキストを理解し、どのデバイスを使っても一貫した体験を提供する「AIツイン」の実現が目標です。
現在は、AIはツールとしての使用がメインですが、Lenovoは「ユーザーに常に寄り添う知性」へと進化させていこうとしています。
ユーザー固有のデータベースは堅牢なセキュリティで保持
複数デバイスをまたいで一貫した体験を届けるLenovo Qiraは、セキュリティ面も万全。Qiraは複数のAIモデルを統合する「オーケストレーションレイヤー」として設計されており、ユーザー固有のデータ(記録・記憶・経験)」をナレッジベースとして活用し、適切なAIモデルを選択していきます。
このデータベースは、クラウドではなく各デバイス内に暗号化保存され、必要に応じてブロック同期される仕組み。AIを通じて蓄積されたナレッジデータは、自分の扱うデバイスのみで展開されるため、プライバシー面も万全です。
ディスプレイが縦に伸び〜る新タイプのPCも
Lenovoの開発拠点となっているのは、日本の大和研究所。ここでは、さまざまな技術が開発されています。AI関連の開発はもちろん、ハードウェアに関しても自由な発想で研究開発が行なわれています。
今回紹介されたのは、ディスプレイが縦に伸びる「ThinkPad Rollable XD」。ただ画面が伸びるだけではなく、天板部分にあるサブディスプレイからは、音声によるAI操作が可能に。AI時代の新しいPCの使い方を提案していました。
2026年のFIFAワールドカップはLenovoが支える
次は、スポーツ領域におけるAI展開についての講演。近年は、さまざまなスポーツでデータ分析を始めとしたテクノロジーの活用が進んでいます。Lenovoはこの分野でも大きな成果を上げています。
そして、2026年6月から開催される「FIFAワールドカップ2026」では、公式テクノロジーパートナーを務め、各種デバイスの提供からインフラの整備、AIテクノロジー、各種サービスを総合的に提供。もはや、Lenovoは単なるデバイスメーカーではなく、世界的なスポーツイベントを裏で支える巨大なフルスタック企業なのです。
選手、観客、放送、イベント運営など、FIFAワールドカップを全方位でサポートするLenovo。その具体例として上げられていたのが「Football AI Pro」です。
これは、FIFAが持つベタバイト級の膨大なデータを横断検索し、数秒で最新情報を提供するシステム。選手、コーチ、審判、運営チームなど、FIFAワールドカップに関わるすべての人たちにとって、必要な情報をリアルタイムで提供することができます。
LenovoはPCメーカーから「AIフルスタック企業」へ
僕が知っているLenovoは、質実剛健なPCメーカーでした。しかし、今回の基調講演を聞いて、そのイメージは完全にくつがえりました。
Lenovoは、AIを軸にユーザーの体験やさまざまなサービスを統合したソリューションを提供する、AIフルスタック企業へと変貌を遂げていたということを、強く感じられた基調講演でした。
