トップバリュ好調も「満足度26%」の衝撃。「消去法」でPBを選ぶのは家計が苦しいからで…「食料品消費税ゼロ」は消費者・小売業の救世主になるか
色めき立つのが食料品を扱うスーパーやディスカウントストア。集客力が高まると見られているためです。
イオンや「ドン・キホーテ」のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)、「西友」を傘下に収めたトライアルホールディングスの足元の状況を見ていきます。
消費者の節約志向高まっており、イオンのプライベートブランド(PB)は好調そのもの。特に価格訴求力の強い「トップバリュベストプライス」は、2025年3-11月の売上高が前年同期間比で13.5%の増加でした。
「トップバリュ」が同8.6%、「トップバリュ グリーンアイ」も9.5%それぞれ増加しています。
アンケートツールを扱うアイブリッジはPBに関する消費者調査を行っています(「PB商品の購入動向調査2025年版」)。それによると、直近1年間で購入経験のあるPB商品で、「トップバリュ」は45.4%でトップ。2位の「セブンイレブンプレミアム」の36.6%を9ポイント近く引き離しました。国内のPBにおいては圧倒的な強さを持っています。
興味深いのは満足度調査で、「トップバリュ」が「とても好き」と答えた割合は26.2%しかありません。コストコの「カークランドシグネチャー」の64.1%、西友の「みなさまのお墨付き」の43.3%、「3つ星ローソン」の41.6%などと比べると満足度が低いのです。
この調査からは、消費者が好んで購入しているというよりも、節約するために買っているという意味合いが大きいことが読み取れます。それだけ物価高に苦しんでいるということでしょう。
◆「SM事業」が支えるイオンの台所事情
仮に消費税がゼロになれば、節約志向に財布のひもが緩むという要素が上乗せされ、イオンの一人当たりの購入量が増える、あるいは購入頻度が上がる可能性があります。
イオンは総合スーパーのGMS事業は赤字ですが、スーパーマーケットのSM事業は堅調。人件費が利益を圧迫する中でも、2025年3-11月は15億円の増益でした。価格戦略が奏功しています。
総合スーパーは苦戦していますが、2025年10月から11月にかけて衣料品の販売が好調でした。衣料品購入のペースを維持しつつ、食品の売上が大きくなれば収益改善が図れるかもしれません。
◆前期の爆益から一転、苦戦が続くPPIH
好調だった前期の反動で、やや苦戦気味なのがPPIH。2025年6月期は7.2%の増収、15.8%もの営業増益でした。2025年7-9月は4.1%の増収だったものの、営業利益は0.7%の微増でした。
「ドン・キホーテ」のディスカウントストア事業の営業利益は前年同期間と変らずの271億円。2024年8月に日本政府が南海トラフ地震臨時情報を発表しました。これにより、モバイルバッテリーや電池など、粗利率の高い防災関連グッズの特需が発生します。「ドン・キホーテ」はその受け皿になりました。
しかし、今期はその反動減の影響を受けているのです。
そして、インバウンド需要が後退する懸念もあります。2025年7-9月のインバウンド売上は475億円で、前年同期間比35.5%も増加しました。10月は単月で初の200億円を突破しています。
中国が高市首相の発言を受けて、日本への渡航自粛を要請したのが11月14日。航空券の無料変更、払い戻しにも対応しました。活況だったいインバウンドの雲行きは怪しくなっています。
◆迫られる収益改善…食料品シフトを急ぐ
