「マイナ保険証」で年収がバレる!? 年収を見分けられてしまうポイントを解説
マイナ保険証の概要
マイナ保険証は、従来の健康保険証に代わって導入が進められている保険証です。
マイナ保険証は、病院やクリニックなどの医療機関および薬局で、これまでの保険証と同じように利用できます。
顔認証付きカードリーダーを利用して情報を読み取ることで、本人確認の正確さが高まるほか、おくすり手帳を提示せずに処方履歴や健診履歴などを共有可能です。また面倒な手続きなしで、高額療養費の限度額を超える支払いが免除されるといったメリットがあります。
マイナ保険証を利用すると年収がバレる?
マイナ保険証にメリットはあるものの、危惧されている点もあります。今回取り上げている「年収バレ問題」はその1つです。マイナ保険証を利用すると、所得に関する情報が医療機関の端末に表示されてしまいます。
表示される所得情報
表示される所得情報には、患者さんが具体的にどれくらいの収入を得ているのか、事細かな情報が含まれるわけではありません。しかし、「高額療養費制度」の自己負担限度額に関する情報が共有されます。
同制度は、医療費が多額になり自己負担額の限度を超えた場合に、後日払い戻される制度です。
自己負担限度額は被保険者の年齢や所得によって変わり、69歳以下であれば「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の5段階に分かれています(70歳以上は3段階)。この区分情報が表示されてしまいます。
69歳以下の所得区分を表1にまとめました。
表1
国民健康保険:所得901万円超 イ 約770万~約1160万円 健康保険:標準報酬月額53万円~79万円
国民健康保険:所得600万~901万円 ウ 約370万~約770万円 健康保険:標準報酬月額28万円~50万円
国民健康保険:所得210万~600万円 エ 156万~約370万円 健康保険:標準報酬月額26万円以下
国民健康保険:所得210万円以下 オ 住民税非課税世帯 -
出典:金融広報中央委員会 知るぽると 公的医療保険の「高額療養費制度」って何?を基に筆者作成
マイナ保険証を利用すると、医療機関はこれらの所得区分を閲覧できる状態になります。
患者や医療機関が、表示される区分情報を気に留めないケースもあるでしょう。しかし中には、収入状況の一端を第三者に見られることに抵抗を感じる人がいるかもしれません。
以前は患者の「同意」なしでは表示されなかった
マイナ保険証利用による年収バレは、最初から問題視されていたわけではありません。以前は、患者さんが高額療養費の「限度額適用認定証」情報に関して同意している場合にのみ、医療機関は所得区分を見ることができました。
しかし厚生労働省によると、収入情報は薬剤情報のように「要配慮個人情報」ではないこと、「緊急時に患者からの同意が得られる保証がない」という現場からの改善要望があったことなどを理由に、患者と医療機関における同意のプロセスが省略されました。
その結果、医療機関の端末で、患者の所得区分が自動的に表示されるようになっています。
マイナ保険証を利用すると所得区分情報が表示される
マイナ保険証を利用すると、高額療養費制度の自己負担限度額の区分情報が、医療機関に明らかになってしまいます。
細かな月収や年収の情報が知られるわけではありませんが、おおまかな収入帯は端末に表示されます。この点を、プライバシー侵害の観点から危惧する声もあるようです。
現行の仕様に変更された背景にはさまざまな要因があり、区分情報が表示されることを問題視する人がいる一方で、あまり気に留めないか、留めたとしても変更によるメリットを優先する人もいるでしょう。
出典
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
金融広報中央委員会 知るぽると 公的医療保険の「高額療養費制度」って何?
厚生労働省 マイナ保険証の利用促進等について 顔認証付きカードリーダーの同意画面の改善 20ページ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
