それでもスマホをいじる? 元トラックドライバーが語る「身近に起こった」ながらスマホが原因の悲惨な事故

この記事をまとめると
■集中力の欠如は誰しも起きえることであり「ながら行為」は事故を招く危険な行為
■運転中のスマホ操作が原因で多くの悲惨な事故が起きており命を失うケースも存在
■運転時は命を守るためにも絶対にスマホを触ってはいけない
「ながらスマホ」は悲惨な事故を招くこともある
どれだけ優れた頭脳や反射神経をおもちの方であっても、人間には必ず限界というものが存在する。それは集中力も同様だ。ひとつのものごとに対して全力で向き合うことで、自身でも驚くほどのポテンシャルを発揮することができたりする。しかし、ふたつのことを同時に行えば、中途半端な結果を招いてしまうのだ。
食事のときであっても、新聞や漫画などを読みながら食事をとることは調理してくれた人や同席している人に対して失礼になるし、消化にも悪影響を及ぼす。このような集中力に欠ける「ながら○○」という行為は昭和の時代から悪しきスタイルだといわれ続けているが、近年では「ながらスマホ」というものが社会問題となっている。

一流と呼ばれる人たちが集うビジネスシーンにおいては、その都度検索や調べ物ができるスマホやパソコンなどを会議中に触る行為が許されているようであるが、一般社会ではそうはいかない。対面する上司の話を聞きながらスマホを弄っているようでは、間違っても褒められることはないだろう。スマホを触ることで集中力を欠いてしまうため、「ながらスマホ」は問題視されているのである。
たとえば歩くときや、階段を降りるとき。駅のホームを歩くときや、電車に乗り込むとき。このような日常的な場面でさえもスマホを見ずにいられないような人たちは、人として欠陥があるといっても過言ではないだろう。そして、自動車を運転しながらスマホを操作するという不届き者も、悲しいかなかなりの数が存在しているのである。

トラックドライバーといえば、バスやタクシーの運転士と同じく運転のプロである。そんなプロでありながら、スマホを触りながらトラックを運転しているドライバーがあとを絶たない。これはプロとして恥じる行為であるのはもちろんのこと、自身や周囲を危険にさらしてしまうことにもなるため、即座にやめていただきたい。
そんな注意喚起という意味を込めて、元大型トラックのドライバーであった筆者が、実際に身のまわりで起きたながらスマホによる痛ましい大型トラックの交通事故を振り返りたいと思う。
一瞬で多くを失う恐ろしい事故が頻発している
まずは、ひとつめのケース。
夜間、高速道路の走行車線を時速80kmで走行していたAさんは、仕事上の知り合いであるBさんのトラックと偶然すれ違った。その瞬間スマホを操作して、登録してあるBさんの電話番号を探した。しかし、なかなか見つからない。そのとき、サービスエリアから本線に合流してきたトレーラーがAさんの前に現れた。それに気づくことができなかったAさんはトレーラーに追突してしまい、その弾みで大型トラックごと高速道路外の斜面に転落。数十秒間スマホに集中してしまった結果、帰らぬ人となってしまったのである。

※写真はイメージ
そしてふたつめのケース。
関東から関西に向けて深夜の東名高速を下っていたCさんは、疲労のためかなりの睡魔に襲われていた。そんなとき、スマホにSNSの新着通知が届いたという。その内容が気になったCさんは、眠気もあったため嬉々としてホルダーにセットしてあったスマホに手を伸ばす。
そしてスマホのロックを解除していたというわずかな時間のなかで、故障のため路肩部分に停車していた大型トラックにノーブレーキで衝突した。幸い命には別状がなかったものの、車外に出ていた故障車のドライバーが事故の弾みで動いた自車とガードレールの間に挟まれ死亡。Cさんも事故で変形した車体に挟まれ、左足を失うという大きなダメージを負った。

※写真はイメージ
さらに3つ目のケース。
交通量の少ない、深夜の都市高速を走行していたDさん。対面通行という危険な高速道路でありながら交通量が少なく、そして慣れ親しんだ道であったため、スマホで動画を楽しみながら漫然と走っていた。すると、突然大きな衝撃が。本線上に落ちていたタンスのような落下物に乗り上げてしまい、シートベルトをしていなかったDさんの身体は、助手席側へと飛ばされた。
もちろん、Dさんの大型トラックは制御不能に。そのまま対向車線との区切りに設置されていたワイヤーロープに衝突。幸いにも他車を巻き込むことはなく、Dさん自身も軽傷で済んだ。しかし、会社が所有する大型トラックは廃車になり、運んでいた荷物もすべてが廃棄処分となった。
ルームランプも同様だが、暗い車内でスマホの画面を光らせていると、車内に反射して車両前方の様子が確認しづらくなる。そのため、本線上の落下物に気づくのが遅れたのだ。事故の瞬間はスマホに触れていなかったものの、これも運転中のスマホ利用が事故を誘発した一例であるといえるだろう。
※写真はイメージ
自身や他人の命を簡単に奪ってしまう、自動車という便利で危険な文明の利器。そんな自動車に乗る際には、是が非でも運転に集中していただきたい。ここに挙げたながらスマホによる事故は、ほんの一例である。それでも、あなたは運転中にスマホを触りますか? 人生を棒に振ってまで、そのスマホは大切ですか?
渋滞の最後尾にトラックが追突するという事故のニュースは、もはや当たり前のように流れてくる。その最たる原因が運転中のながらスマホであると感じている人は、ごまんといるだろう。それほど危険な行為であることを忘れることなく、ハンドルを握ってほしいと願うばかりである。





