R&D担当者に聞く日本仕様の作り方!(前編)【ヒョンデ・コナ長期レポート#17】
ヒョンデ・モビリティ・ジャパンR&Dセンターとは?
編集部ではヒョンデ・コナを長期レポート中。アイオニック5と合わせて1年以上レポートを担当する中で、ヒョンデの日本仕様への取り組みを知ることになった。
【画像】長期レポート車のヒョンデ・コナ&アイオニック5と長距離取材を行ったインスター! 全64枚
そもそものきっかけは、インスターの試乗会でアクセルの反応を日本人向けに変えていると聞いたことだ。簡単に書けば、日本人の好みに合わせてまろやかな発進にしているという。

編集部ではヒョンデ・コナを長期レポート中。アイオニック5と合わせて1年以上レポートしてきた。 平井大介
そしてこれらの仕様を決めているのが、『ヒョンデ・モビリティ・ジャパンR&Dセンター』(以下HMJ R&D)だ。
今回は同社で商品企画と認証を担当する百瀬友昭さん、コネクティビティを担当する中村浩さん、そして『ヒョンデ・モビリティ・ジャパン』(以下HMJ)でMI/商品チームに所属する佐藤健さんに、そのあたりのお話を伺うこととした。
HMJ R&Dは日本法人として1995年に設立された。そう、当時『ヒュンダイ』と呼ばれていた最初の日本上陸と同時だ。その後、乗用車市場から撤退するも商用車の販売は続いていたことから、現在まで研究開発は継続している。
ヒョンデは欧州、北米、アジアの中心に197ヵ国へ輸出を行っていて、R&D事業は韓国、日本、北米、ドイツ、インド、中国など世界各国で展開されているという。HMJ R&Dの設立目的は、日本が得意とする次世代電子技術、環境性能、デザイン開発に特化し、次世代を担う重要な拠点とすることであった。
日本のマーケットや顧客に合わせて仕様や機能を調整
百瀬さんは、製品企画と法規認証というふたつの領域を担当している。
製品企画は、顧客ニーズや技術動向、OEM、サプライヤー、政府、団体など、日本の市場動向を調査。その結果に基づき日本仕様の提案を本国に行っている。そんな担当領域で、百瀬さんが力を入れてきたことを聞いた。

商品企画と認証を担当する百瀬友昭さん(右)、コネクティビティを担当する中村浩さん(左)。 平井大介
「日本の開発拠点として、常に市場動向を注視しています。電気自動車の導入速度に影響を与える、国の補助金、インフラ、政府戦略といった変化をしっかりと把握することに力を入れてきました。競合他社の戦略や、顧客のニーズや期待値の変化も注視しています。
また、グローバルで開発したクルマを、日本の市場や顧客に合わせて仕様や機能を調整しています。具体的には充電規格、ETC対応などですが、輸入車では一般的ではない右側のウインカーレバー設置にも注力しました」
つまり、冒頭で書いたまろやかな加速を選ぶための根拠を調べるのも、百瀬さんの仕事となっているわけだ。
コナのスポーツモードは日本向けの味付け
その『まろやかな加速』に関しては、HMJの佐藤さんがコナの日本仕様を例に教えてくれた。
「コナはノーマルモードでアクセルレスポンスをまろやかにする一方で、スポーツモードではより機敏に走れるよう味付けを変えるなど、プログラムによるキャラクター変更を行っています」

日本独自の充電規格、CHAdeMO(チャデモ)への対応も重要なポイントになる。 平井大介
本来スポーツモードのレスポンスはここまで速くないそうで、ノーマルとのメリハリが日本では特に強くなっているそうだ。これは2023年に日本導入されたコナ以降、走行領域にHMJ R&Dの意向が反映され始めた証であり、マイナーチェンジ版のアイオニック5やインスターでも様々な取り組みが行われている。
コナの日本仕様に関しては、こんな話もしてくれた。
「オーディオのボリューム調整ボタンやナビのメニュー画面など、助手席側にあった操作系が日本向けに運転席側(右側)に反転されています。地道な作業ですが、日本のお客様が自然に使えるようにしました」
日本独自の充電規格、CHAdeMO(チャデモ)への対応も重要なポイントだ。佐藤さんが続ける。
「充電器との相性問題を迅速に解決するため、ひとつひとつ検証しており、現在の適合状況は非常に良いと評価されています。15年前のBluetoothだと思ってください。最近はだいぶよくなりましたが、規格品どおりに作っても微妙に繋がらないとういうことがありましたからね」
(R&D担当者に聞く日本仕様の作り方!後編につづく)
