日産「新型スカイライン」登場へ 13年ぶり“全面刷新”で「セダン廃止」の可能性も!? “急ピッチ開発”が進む「日産の伝統モデル」がどうなるのか 考えられる現実的な“シナリオ”とは

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次期スカイライン開発は「時短作戦」で急ピッチに進行中!

 経営再建の行方に注目が集まっている日産自動車。新型「リーフ」や「マイクラ」など、ニューモデルの発表も加速化しています。

 そんななか、人気モデル「スカイライン」の新型の登場が予告され、ファンの間で大きな話題となっています。

開発が進む「スカイライン」

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 新型スカイラインの開発は、2025年5月13日に発表された経営再建計画「Re:Nissan」のなかで明言されました。

 Re:Nissanは、固定費と変動費を合わせて5000億円もの大幅なコスト削減を行う計画です。2026年までに、自動車事業における営業利益と、フリーキャッシュフローの黒字化を目指します。また、生産拠点の統廃合や人員の削減も進めていく方針です。

 商品戦略については、既存市場で収益を上げる「コアモデル」、新規市場を開拓する「成長モデル」、提携メーカーとの連携でラインナップを補完する「パートナーシップモデル」、そして“日産らしさ”を体現するアイコニックな「HEARTBEAT(ハートビート)モデル」の4ジャンルへ棲み分けし、さらに強化していきます。

 さらに注目すべきなのは、開発体制の刷新についてです。

 部品種類を70%削減、プラットフォームの統合を推進することで、開発期間の大幅短縮を目指します。すでに複数のモデルで効率化が進行中であることも明かされました。

 そして、この新しい開発プロセスを反映する具体的なモデルとして、新型日産グローバルC SUV、新型インフィニティコンパクトSUVに加えて、「新型スカイライン」が挙げられたのです。

 では、新型スカイラインはどんなモデルとなるのでしょうか。ヒントとなるのは、やはり「プラットフォームや部品の共通化を促進する」という点です。

 日産グローバルC SUVとインフィニティコンパクトSUVの新型2車については、メカニズムを共用する兄弟車であると予想できます。

 このうち前者は、2021年にデビューした3代目「キャシュカイ(日本未導入)」の次期型、後者はそれをベースとしたインフィニティの新モデルである、と考えるのが自然です。

 キャシュカイについては6月、現行型のパワーユニットを一新し、最新のハイブリッド「第3世代e-POWER」を搭載した新モデルが欧州で発表されたばかりで、先に歩みを進めています。

 一方、スカイラインについてですが、現行の13代目・V37型は大型FR車用の日産「FR-Lプラットフォーム」を採用しています。

 これは2001年発売の11代目・V35型スカイライン以降、3世代にわたって採用されているもの。設計の古さが指摘されてすでに久しいですが、FRセダンの市場が急激にしぼんでいるなか、安易にプラットフォームの更新はできなかったという事情もあります。

 そのタイミングで今回の発表があったわけですから、次期スカイラインはようやくプラットフォームが全面刷新されると考えてよいでしょう。

 しかし、次期スカイラインがメカニズムを共用できそうな新型モデルに関して、現時点で公式な言及はありません。

FF化、SUV化もあり得るなかで見つけた“希望”

 となると、次期スカイラインがほかの日産車とメカニズムを共用しやすい、EVやe-POWERのパワートレイン、前輪駆動プラットフォームなどを採用したモデルとなる可能性は充分にあります。

スカイライン史上で特異な存在感を放つ「スカイラインクロスオーバー」

 実際に現行16代目のトヨタ「クラウン」は、従来はFRセダンのほぼ一択となっていましたが、FF化やクロスオーバーSUVを主軸とした商品戦略へ転換し、一定の成果を挙げています。

 しかし、スカイラインのブランドはファンやユーザーの熱狂的な支持によって作られてきたもの。

 スカイラインのファンであり、1992年式の8代目スカイライン「GTS-tタイプM(R32型)」のオーナーでもある筆者(自動車ライター 山藤雄一)としても、前輪駆動のSUVのみになったスカイラインは、あまり想像したくないものです。

 そこで着目したいのが、Re:Nissanの商品戦略について。

 4つのジャンルのうち、スカイラインは日産を象徴するHEARTBEATモデルに分類されています。

 なおHEARTBEATモデルには、ほかに「パトロール」や「エルグランド」、そして「フェアレディZ」といったモデルが分類されています。

 また今回は明言されなかったものの、8月で現行型の生産が終了する「GT-R」もこの分類に入るモデルでしょう。

 フェアレディZやGT-Rは、商品性を考慮するとスカイライン以上に前輪駆動化やSUV化というシナリオがあり得ないモデルだといえます。

 そう考えると、次期スカイラインは次期Zや次期GT-Rとプラットフォームを共用化することで、ある程度の採算性を担保しつつ、従来までのキャラクターで生き残れる道筋が見えてきます。

 もちろん、ZやGT-Rは販売台数を見込める車種ではないため、もし後輪駆動プラットフォームを新規で開発する場合は、より踏み込んだ商品企画が必要です。

 しかし実現できれば、後輪駆動やガソリンエンジンの搭載、セダンとクーペを主軸としたモデル展開といった、従来の姿に近い形で新型スカイラインが生まれてくる可能性も、決してゼロではないのです。

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 現在の日産が抱える危機を考えると、次期スカイラインがFRセダンを捨て、より収益性の高い人気ジャンルのモデルとなる可能性は充分あります。その一方、スカイラインが何故これまでファンの支持を受けてきたのか、日産自身の理解も非常に深いといえます。

 最新の報道では、2027年度内にも日本デビューを果たすとされる新型スカイライン。今後も目が離せない存在です。