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「ホンダ S+シフト」とは?

ホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム『e:HEV』を全方位で進化させながら、ホンダらしい『五感に響く』、つまりはe:HEVの特性を活かしながらドライバーとクルマの一体感を際立たせる『操る喜び』を追求した機能が、この『ホンダS+シフト(以下、S+シフト)」だ。

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ホンダでは現行型のフィット e:HEVから、車速とエンジンサウンドを連動させる制御『リニアシフトコントロール』を搭載しているが、今回これを進化させ、加減速時に緻密にエンジン回転数をコントロールし、ダイレクトな駆動レスポンスと鋭い変速を実現する。


ホンダの『e:HEV』次世代技術の取材会に『プレリュード・プロトタイプ』登場。    篠原政明

さらに、エンジン回転数と同期した迫力ある音をスピーカーから流すことでエンジンサウンドの音質を高める『アクティブサウンドコントロールシステム(ASC)』も採用し、またASCと強調して俊敏に反応するメーターなどにより五感を刺激し、ドライバーとクルマが『シンクロナイズ(Synchronize:一体化)』するような、爽快で意のままの走りの提供を目指している。

『S+シフト』の名称には、S600やS2000、タイプSといったホンダの操る喜びの根源となるスポーツスピリットを表すモデルや技術に冠する『S』に、『シンクロナイズ(Synchronize)』/『スペシャル(Special)』/『センセーショナル(Sensational)』など、個の機能がもたらす新たな価値をプラス(+)し、人とクルマを新たな世界に『シフト(Shift)』させていくという思いが込められているという。

高性能エンジン車を操っているような喜びを五感で味わえる

システムの概要としては、e:HEVの2基の大出力モーターとASCを連動させ、エンジンの迫力あるサウンドでドライバーの高揚感をかき立て、しかも鋭いシフトフィーリングを実現している。S+モードではタコメーターも表示され、ASCと連動してクルマとの一体感を増幅する。

また、現行e:HEVのリニアシフトコントロールを進化させ、全車速域において運転状況に応じたシフトアップ/ダウンの変速を実施する(今までのリニアシフトコントロールはアップのみだった)。


ホンダの『e:HEV』次世代技術の取材会に『プレリュード・プロトタイプ』登場。    篠原政明

また、パドルシフトを一定時間引きっぱなしにするとシフトがホールドされ(今までのe:HEVではパドルの減速セレクターにこの機能がなかった)、運転状況に合わせた最適なエンジン回転数を維持し、再加速時におけるエンジン発電能力を駆動力へ活用する。

これにより、アクセルを踏んだ際のモーター初期応答時間を大幅に短縮させ、ドライバーの操作と直結した、リニアなレスポンスを発揮する。

なお、e:HEVはメカニカルな変速機構は持たないが、S+シフト作動時には前述のようにパドルシフトの操作でマニュアル変速が可能で、あたかも有段ギアを変速したかのようなドライブフィールを実現する。

エンジンと大出力モーターの強調がもたらすリニアな変速が、ドライバーの操作にダイレクトに呼応する、操る喜びを提供してくれる。

つまり、駆動そのものはe:HEVのモーター主体なのだが、運転状況に応じた緻密なエンジン回転数コントロールやダイレクトな駆動レスポンスと鋭い変速、そしてASCとメーターの表示などで、あたかも高性能エンジン車を操っているかのような感覚を味わえる、ホンダらしい次世代技術というわけだ。

デビューが待ち遠しくなる、新型プレリュード

さて、このホンダS+シフトを搭載した新型プレリュードのプロトタイプにテストコースで短時間だが試乗することができた。

正式発表前のプロトタイプゆえ、ボディにはカモフラージュが施されていたが、そのスタイリングは2023年のジャパンモビリティショーに出品されたコンセプトモデルと基本的には変わっていないと思われる。また、試乗車はドイツでテストを行っていたモデルということで左ハンドルだった。


ホンダの『e:HEV』次世代技術の取材会に『プレリュード・プロトタイプ』登場。    篠原政明

まずはノーマルモードで走り出す。走り出してすぐに感じたのはボディ剛性の高さで、じつはシャシーのベースはシビック・タイプRなのだという。これは市販車でも変わらないというから、期待できそうだ。

センターコンソールのシフトスイッチ(これはシビックなどと同じ)の右にある『S+』ボタンを押して、ドライブモードをS+シフトにする。アクセルペダルを踏み込んでいくと、エンジン車のように快音を奏でながら小気味良くシフトアップしていく。タコメーターの針はエンジン回転数とシンクロしてレッドゾーンを目指して跳ね上がる。

コーナーの手前でブレーキングすれば、ヒール&トウで空吹かしを入れて回転数を合わせてシフトダウンし、コーナーからの立ち上がり加速も鋭い。

シフトのアップダウンはパドルシフトでマニュアル操作も可能で、左側(−)を一定時間引きっぱなしにするとホールドされ、また右側(+)を一定時間引きっぱなしにするとコースティングモードにもなる。

感覚的には、好レスポンスのエンジンと出来の良い自動トランスミッションを搭載したクルマを操っているかのようだ。これをハイブリッド車で達成してしまうのは、いかにもホンダらしい次世代技術といえる。

環境性能だけでなく、走りも進化させ、「操る喜び」を忘れない。この『ホンダ S+シフト』は、2025年に発売予定の新型プレリュードを皮切りに、次世代e:HEV搭載の全機種に順次搭載していく予定だという。その次世代e:HEVについては、あらためて紹介したい。