婚活の現場で起こっている“リアルなトラブル”とは…(画像はイメージ)

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 ひと昔前は、婚活のアクションを起こすことに「敷居が高い」と感じていた人も多かったはずです。ところが近年、カジュアルな婚活アプリが台頭し、ポピュラーになったことで婚活する人たちの裾野も広がりました。ただ、そこにはトラブルも発生しています。今回は、そんな婚活にまつわるトラブルを見ていきましょう。

えっ? 年収が登録記載の半分以下?

 大野まちこさん(41歳、仮名)は30代半ばで結婚し、昨年離婚をしたバツイチです。私の運営する結婚相談所に登録をして活動していたのですが、なかなかいい出会いに恵まれずにいました。

 そんなときに、無料の婚活アプリにも登録をし、結婚相談所と婚活アプリの2カ所で婚活をすることにしたのです。

 まちこさんは言いました。

「相談所に登録している男性よりも、アプリにいる男性の方が、社交的な人が多い気がしました」

 それは一理あるかもしれません。相談所には仲人がいて、活動の仕方やお相手の選び方などをアドバイスします。その分、料金も高いです。ただ、そうした他人の意見を聞くのが面倒くさい人、お金を払って他人の力を借りなくても「婚活くらい自分できる」という人が、安価のアプリに登録する傾向にあります。

 2カ所で婚活していたまちこさんでしたが、あるとき、「アプリで出会った人にプロポーズをされたので、相談所は退会します」と申し出てきました。

 私は、幸せな結婚に結びつけば、出会いはどこでもいいと思っています。そこで、「分かりました。退会の手続きを取りますね」と伝えました。

 ところが、そこから1週間たって、まちこさんからこんな連絡が来ました。

アプリで出会った男性、プロフィールは年収が1000万円となっていたのですが、今は400万円程度だと言われました」

 まちこさんは、こう続けました。

「彼は自営業で、一昨年は1000万円あったそうなんです。ただ昨年、取引先の会社が倒産して、収入が一気に減ったのだとか。だから、また別の取引先が見つかったら収入も盛り返すとのことでした」

 彼の言葉が真実かどうかは、分かりません。ただ、彼を好きになっていたまちこさんは、彼の言葉を信じ、彼と結婚することを決めて、相談所は退会していきました。

 これもまちこさんの決断だったので、私は黙って見送りました。

気が付いたら60万円貢ぎ…連絡が取れなくなった

本郷のぶおさん(41歳、仮名)は39歳のときに結婚相談所に入り、1年間の婚活の末、2つ下の女性と成婚退会をしました。ところが、50万円の婚約指輪を送り、新居を2人で探したり、結婚式場を巡ったりしているときに、「結婚はやめたい」と彼女が言い出したのです。

 贈った指輪が、宅配便で送り返されてきました。そこには手紙が添えられていて、「結婚の話を進めていくうちに、あなたとは生きていく価値観が違うと感じるようになりました」と書かれていました。

 そこからは電話を入れても出ず、LINEを送っても既読にならず。彼女が住んでいたアパートを訪ねると、そこは既に引っ越した後でした。

 指輪代に加えて、結婚後に2人で住む新居の前金なども支払い済みだったのぶおさんは、「もう婚活にお金はかけられない」と、無料のアプリを始めました。

 そのアプリで、18歳年下の藤田まこさん(仮名)に出会いました。彼女は19歳のときに妊娠したのですが、子どもが生まれる前に男性がいなくなってしまい、未入籍のままシングルマザーになったという女性でした。

 出会ったときに、まこさんが言ったそうです。

「責任感のない同世代の男性は、もうこりごり。年上でしっかりした大人の男性との結婚を考えているの」

 のぶおさんは、それはまさに自分だと思いました。LINEをすれば、すぐに返信があり、「今日は楽しかった。ありがとう」「私の理想の人だよ」「出会えたことを神様に感謝してる」といった返信が来るので、のぶおさんは有頂天でした。

 こうして、まこさんとの結婚を夢見るようになったのですが、お付き合いが始まって2週間がたった頃から、「子どもが病気になって手術をすることになったんだけど、今、お金の持ち合わせがない」「今月は、子どもの入院費が思いの外かかってしまって、家賃が払えない」などと、お金を無心されるようになったのです。

 10万、20万…と小出しに渡しているうちに、気が付くと60万円ほどの現金を渡していました。前回の婚約破棄でお金を使っていたので、貯金額もどんどん減っていきます。さすがに、「これはおかしい」と思うようになりました。

 そこで、彼女が住んでいると聞いていた住所をGoogleマップで検索してみると、そこは人が住むマンションではなく、雑居ビルになっていました。

 さらにまた「今月の生活費が」とお金を無心するLINEが来たので、「住所をGoogleマップで調べたよ」と伝えると、そこから電話がつながらなくなり、LINEはブロックされてしまいました。

 共通の知り合いもいないため、どうにも手立てができず、結局は諦めるしかなくなりました。

「少し前に話題になった“頂き女子”に引っかかった男性は、何千万円と貢いでしまったようですが、自分は60万円だったので、これも痛い人生勉強だと思って諦めました。探偵や弁護士を頼むお金もありませんし」

 婚活で出会った相手が、お金の無心をしてきたときには、どんなケースでも要注意です。

最近増えている「副業の持ちかけ」

 吉田まりさん(31歳、仮名)は、内田なおとさん(31歳、同)と婚活アプリでマッチング。まずは渋谷で最初のデートをしました。

 なおとさんは、身長はそれほど高くなかったのですが、テレビに出てくる俳優さんにそっくりで、ファッションセンスもよく、いわゆるイケメンでした。そして何より、女性を楽しませるような会話をするのが、とても上手でした。

 2人で焼き肉を食べて、そこは割り勘。「ごちそうしてくれないんだ」とも思いましたが、“今の時代、割り勘を当たり前だと思う女子の方がモテる”とネット記事で読んだことを思い出し、次もまた会う約束をして、別れました。

 その夜、なおとさんから「今日は楽しかった、ありがとう」というLINEが来ました。そして、チャットのような短いやりとりをしているうちに、「副業に興味はない?」と持ちかけられました。「もうかるビジネスがあって、自分はもう1年それをやっていて、今は自分の1カ月の給料と同じくらいの額を稼げるようになった」と言うのです。

 2度目のデートでは、副業ビジネスのセミナーに連れて行かれました。セミナーの後、数人のスタッフに囲まれ、「ビジネススクールの受講契約とタブレット購入契約で、最初に50万円必要」と言われました。「そんなお金はない」と伝えると、「もうかればすぐに返せるから」と、消費者金融で借りることを強く勧められました。

 急に怖くなって、「ちょっとトイレに行ってきます」と言って、その会場を逃げ出しました。

 帰ってきてネット検索をすると、マッチングアプリで出会った相手から「副業を持ちかけられる」「ネットワークビジネスを持ちかけられる」「暗号資産を買うように勧められる」などといった詐欺が横行しているという記事をたくさん見つけました。

 なおとさんの連絡先は、すぐにブロックしました。そして、冷静になって思いました。

「もしも本当に彼がもうかっていたら、最初のデートの焼き肉くらいごちそうしてくれたはずだよな……」

 婚活のハードルが低くなったからこそ、さまざまな問題も出てきています。ただ、出会いに臆病になっていたら、結婚相手を探すことはできません。結婚相談所、マッチングアプリ、街コン、合コン…どんな婚活場所を選ぶかは、個人の自由です。大切なのは、どういう相手かを見極める目をしっかりと持つことではないでしょうか。