快進撃を続けるダークホース明秀日立の強みは何か。静岡学園、青森山田を撃破し4強入り【総体】
「今日のゲームの質で言えば、正直かなり低かったように僕は感じています。ゲームの質だけで言えば、このステージのゲームではないと思っています」
今から約7年前。2017年度の選手権で明秀日立は、MF西矢健人(現:FC大阪)、DF深澤佑太(現:愛媛FC)を擁し、優勝候補の一角に挙げられていた大阪桐蔭にPK戦の末に勝利し、初のベスト8進出。そのままの勢いで日本一まで駆け上がろうとしたが、準々決勝では同じダークホースの上田西に競り負け、涙をのんだ。
「それまでは練習試合でも負けたことがなくて、私たち自身も少し緩みがあったのが、すごく良い教訓になった。だから、今日は『明秀日立って面白いな』とみんなが見てくれているからこそ、手堅く勝ち取るほうが強くあるべきだろうと試合前から言っていました」(萬場監督)
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「ここで負けたら、静学に勝ったのもたまたまなのかと思われてしまう。青森山田戦のあとも、2回戦とこの準々決勝が大事な試合と話していた」。そう続けるのは、ゲームキャプテンを務めるDF山本凌(3年)。
前半から攻撃の部分では上手く行かない場面も多かったが、これまでの勝ち上がり同様、粘り強さと集中力を保った守りでゴールを許さない。終盤に差し掛かった後半15分には、10番のFW根岸隼(3年)とMF竹花龍生(3年)を同時投入。クーリングブレイクを挟んだ9分後には、竹花が見事なファインショットを決めて、勝利に導いた。
今大会は、交替策が見事にハマり、6得点中5得点が試合終盤に生まれたゴール。特に、本来ならエース級ながらも、今シーズンは怪我で出遅れたため交替の切り札として重宝される根岸は、静岡学園戦と青森山田戦で決勝点を奪うなど大暴れしている。
「竹花もそうですが、先発起用できるような子を取っておけるのが、今の強みだと思っています」(萬場監督)
東西のプレミアリーグ首位チームを倒した明秀日立がベスト4を掴んで、その実力が本物だと証明してみせた。元々、今大会は1回戦から決勝までの6試合すべて戦うことを想定し、事前に3連戦後に1日の休日を挟んで、また3連戦を戦うスケジュールを経験している。練習試合と全国大会では緊張も体力の消耗もまったく違い、「今日はみんな身体が重かった」と山本は話す。萬場監督もそれは痛感しているからこそ、こう口にする。
「ここからは、どちらかというと精神力のほうが求められるんじゃないか。『本気で日本一を目ざしに来たな、コイツ』と見てもらえるかどうかが試される2日間になるかなと思っています」
これまでの勝ち上がりを無駄にしないためにも、準決勝と決勝の残り2日間、明秀日立は本気で頂点を狙いに行く。
取材・文●森田将義
