仙台中田店が臨時休業を告知

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中華料理チェーン「大阪王将」の仙台市内のフランチャイズ店舗「仙台中田店」で店員をしていた男性が、店内では鍋などにナメクジが発生するなど不衛生な状態だったと、ツイッターで写真などを投稿した。

これを受けて、同店は、店舗整備のため臨時休業し、市保健所も立ち入り検査を行った。その結果、保健所では、ナメクジなどは見つからなかったというが、清掃が行き届いていなかったなどとして指導したことを取材に明らかにした。

「生卵を割る鍋にも付き、その鍋で天津飯を作っていた」

棚の上に鍋などが並ぶ厨房の壁の下付近に、丸い形をしたものが張り付いている。

元店員の男性が2022年7月24日にツイッターへ投稿した写真だ。

これがナメクジだといい、大きいものでは3.5センチもあるという。男性は、ナメクジが大量発生していると、店長にLINEで伝えたとその画像を投稿した。店長からは、「ザルにもいるから気をつけて」と返信があったという。

男性は前日の23日、店長に退職届を出したうえで、会社にリベンジする作戦を行うと予告した。そして、24日になって、店が不衛生な状態にあるなどと次々にツイッターで暴露した。

それによると、店はずさんな衛生管理をしており、ナメクジは、生卵を割る鍋にも付き、その生卵で天津飯を作っていたという。また、使っていない洗濯機の下などには、ゴキブリが住み付き、冷蔵庫の下にはウジムシが発生して、ハエが飛んでいたという。男性は、こうした害虫を退治する作業も1人でせざるをえなかったとした。ネコも店内で飼っていて、抱っこした手で調理していたともいう。ガスコンロが劣化し、コックから火が出る写真も投稿した。

労働環境も悪かったといい、長時間労働や休みの少なさ、残業代の未払いを訴えている。

投稿した男性は25日、J-CASTニュースの取材に応じた。男性によると、フランチャイズ店舗を運営するファイブエム商事(仙台市)の社員として、4年前から大阪王将で働き、22年に入って仙台中田店の配属になった。

ナメクジが梅雨に出た可能性あるも、「大量発生の状況はない」

この男性は、2度辞めようとして会社に止められ、今回は、7月24日に退職届を出した。しかし、会社側が時期を延ばそうとしたため、退職届を置いて退社し、その後は連絡を絶っているという。労働問題については、労働基準監督署への報告も視野に入れているとした。

仙台市保健所の生活衛生課は25日、ファイブエム商事社長らに立ち会ってもらい、同日中に仙台中田店へ立ち入り検査に入って報告書も作成したと取材に答えた。

同課によると、店内を検査した結果、ナメクジやゴキブリ、ウジムシは、1匹も確認できなかったという。ナメクジは、梅雨の時期に多く発生するといい、この時期に見られた可能性はあるとしたものの、「大量に発生している状況ではありませんでした」とした。店では、ゴキブリの駆除を業者に依頼し、最近は、捕虫検査でも見つからなかったと説明したという。

ただ、厨房内で清掃が行き届いていなかったため、清掃や消毒をするように指導した。ツイッター投稿もあったため、外から虫が入らない措置を取るようにも促した。また、食品衛生責任者が3月に系列店へ移動し、それ以降はいなかったことも指摘した。資格者はいたものの失念していたと店側は説明し、保健所では、変更届の手続きを早急に行うように指示した。

保健所が立ち入ったときは、ネコはいなかったという。ガスコンロは、一部が破損したが、新しく変わっていたとした。

「改善状況の確認は行うが、営業停止などの処分は考えていない」

健康被害の報告がなく、店が自主休業していることから、保健所では、改善状況の確認は行うものの、営業停止などの処分は考えていないとしている。

店については、過去に営業許可の更新をするときにも検査して指導を行ったものの、大きな問題はなかったといい、食中毒も発生したことはないとした。

店を運営するファイブエム商事は7月25日、男性が社員だったことを認め、上司らが店に行って保健所の検査などに対応していると取材に説明した。

大阪王将を運営するイートアンドホールディングスの広報担当者は同日、「事実関係を確認しており、調査しているところです」と取材に答えた。大阪王将の店舗情報では、同店は「店舗整備の為、当面の間 臨時休業」とお知らせを出しており、同社では、前日の24日から休業していると明らかにした。

また、同社のサイトで「フランチャイズ店舗に関する一連の書き込みに関しまして」と題したお知らせを出し、仙台中田店に関する書き込みを受けて、保健所が検査し、同社でも事実関係を調査していると説明した。今回の騒ぎについては、「お客様および関係者の皆様に、多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)