だんだんとセ・リーグ最下位が定位置になってきた立浪監督率いる中日ドラゴンズ(写真・朝日新聞)

 巨人、阪神に並ぶ伝統球団の中日ドラゴンズは、今季から球団のレジェンド、立浪和義新監督を迎えた。

 根尾昂(あきら)の投手転向など、話題になる采配も多いが、現在、セ・リーグの最下位に沈むなど苦戦が続いている。

 そんなチームを盛り上げようと“名古屋マスコミ”が仕掛けた企画が、思わぬ波紋を呼んでいる。

 6月30日、Twitterアカウント「【公式】中京テレビスポーツ」は、7月6日に横浜スタジアムでおこなわれる横浜DeNAベイスターズとの中日戦の生中継に向けて、ファン参加型の企画として、こんな投稿をした。

《「後半戦〇〇選手を起用してください!」「守護神・根尾はどうですか!?」「〇〇選手の4番が見たいです!」などなど

 #立浪監督提案です をつけてツイートをお願い致します

 ツイートは7/6の番組内でご紹介させていただく場合がございます

 皆様の前向きな提案お待ちしております》

 ファンに対して、チーム向上のための作戦を募集するというものだ。これに反応して、SNS上のドラゴンズファンは一斉にツイート。

「開幕連敗記録を作った阪神にすら抜かれて、最下位というチーム事情がまずひとつ。さらに、週刊誌でも騒がれた、中村紀洋コーチの突如の“二軍落ち”、代わりに一軍昇格した波留敏夫コーチの円陣での暴言騒動、根尾に対する雑な起用法、などなど……。立浪監督のチーム作りに不信感を抱いているファンが多かったようです」(中日担当記者)

 すぐに、この「#立浪監督提案です」のハッシュタグには、監督批判があふれたのだ。

《ノリコーチを一軍に戻して下さい それか辞めてください》

《打撃を何とかしてください 根尾を遊撃手に戻してください 辞めてください》

《監督を一刻も早く辞任してください》

《僕は本当に立浪和義さんが大好きです。2000本安打本当に感動しました。引退試合の時も猛打賞打ってて最後まで漢立浪和義を見せてもらって素晴らしい選手でした。ミスタードラゴンズとして多くの感動をくださり本当にありがとうございました。一生大好きです 辞任してください。》

 中京テレビとしては、先のツイートのとおり、SNSで集まった 《前向きな提案》 を番組で紹介する企画だったようだ。だが、“後ろ向きな提案” ばかりがつぶやかれる結果となり、企画は完全に裏目に出てしまった。

「中日では、2021年11月にリリーフ投手の福敬登(ひろと)がSNS上で中傷や殺害予告を受けたとして、愛知県警に被害届を提出し、受理されていました。そして、2022年3月に愛知県警は、40代の男性を福に対する侮辱の疑いで書類送検しています。

 こういった誹謗中傷は絶対に許してはいけませんが、中日関係者であれば、ファンがチームに対して、SNS上で厳しい意見を書き込んでいることは知っていたはず。このタイミングで『#立浪監督提案です』の企画を実施すべきだったかには、疑問を持ちます」(前出・担当記者)

 立浪監督も、6月中旬に一軍復帰した京田陽太に言及して「選手の集中攻撃はやめていただきたい。今は行きすぎているかなと思うところもある。自分は選手を守る立場でもあるので、それをお願いしたい」と報道陣の前で語っていた。

 監督に対する批判も、一線を超えないことを祈るばかりだ。