無免許運転による欠格期間とは?

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無免許運転は重大な違反行為であり、検挙されると25点の違反点数が課され、運転免許が取り消しとなります。また、取り消し処分を受けた免許は、一定期間が経過するまで再取得できません。この免許の再取得ができない期間を「欠格期間」と呼びます。

無免許運転および欠格期間はすべてのドライバーに関係し、これから免許を持つ人にも関わる事柄です。どのような行いが無免許運転に該当し、検挙されるとどの程度の欠格期間が課され、どうすれば免許を再取得できるのか。この3つを知ることにより、運転免許との適切な付き合いができるようになります。

免許保有者が無免許運転になるケースとは?

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無免許運転には、免許を取得していない人による車の運転というイメージがあります。しかしながら実際には、無免許運転には下記の5種類があり、その多くが免許を取得している方に関係します。

純無免(一度も免許を取得していない人による無免許運転) 停止中無免(免許停止中の無免許運転) 取消無免(免許取り消し中の無免許運転) 免許外無免(許可されていないの車種の無免許運転) 失効無免(免許証の更新し忘れによる無免許運転)

無事故無違反を続けている方も、免許外無免や失効無免により、免許取り消し処分を課される可能性があります。また、無免許運転に同乗した場合や、無免許の人に車両を提供した場合も、ほう助犯として処罰される可能性があるので要注意です。

無免許運転による欠格期間の長さはどのぐらい?

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無免許運転で検挙されたドライバーには、最低でも2年間の欠格期間が課されます。欠格期間2年は違反点数25点に対する処分であり、実際の処分量定は「累積点数」と「前歴」によって変わります。詳しい解説は後回しにして、累積点数および前歴と行政処分との関係を一覧表で確認してみましょう。

処分の種類/前歴 前歴なし
前歴1回
前歴2回
前歴3回
前歴4回以上
免許停止の基準点(免停日数) 6~14点
(30~90日)
4~9点
(60~120日)
2~4点
(90~150日)
2~3点
(120~150日)
2~3点
(150~180日)
免許取り消しの基準点 欠格1年
15~24点
10~19点
5~14点
4~9点
4~9点
欠格2年
25~34点
20~29点
15~24点
10~19点
10~19点
欠格3年
35~39点
30~34点
25~29点
20~24点
20~24点
欠格4年
40~44点
35~39点
30~34点
25~29点
25~29点
欠格5年
45点以上
40点以上
35点以上
30点以上
30点以上

上記の表に記したのは、信号無視や速度超過などの「一般違反行為」に対する行政処分です。酒酔い運転や危険運転致傷などの「特定違反行為」に対しては大きな違反点数が付き、行政処分が次のように重くなります。

処分の種類/前歴 前歴なし
前歴1回
前歴2回
前歴3回以上
免許取り消しの基準点 欠格3年 35~39点
欠格4年
40~44点
35~39点
欠格5年
45~49点
40~44点
35~39点
欠格6年
50~54点
45~49点
40~44点
35~39点
欠格7年
55~59点
50~54点
45~49点
40~44点
欠格8年
60~64点
55~59点
50~54点
45~49点
欠格9年
65~69点
60~64点
55~59点
50~54点
欠格10年
70点以上
65点以上
60点以上
55点以上

以上2つの表を見てわかるように、累積点数が大きく、前歴が多いほどに、運転免許の欠格期間は長くなります。欠格期間の決まり方をより深く理解するために、累積点数と前歴について詳しく見ていくことにしましょう。

■累積点数とは?

運転免許の違反点数は加算式で計算され、最初に交通違反や事故で検挙された日を基点に、3年間に付された点数が累積されます。こうした規則に基づき累算される違反点数が累積点数です。累積点数はいくつかのルールに基づき加減点されます。

・違反点数の優遇措置

最後に交通違反で検挙された日から1年間を無事故無違反で過ごすと、優遇措置により累積点数がリセットされます。たとえば、信号無視で違反点数2点が課されても、その日より1年以上を無事故無違反で過ごせば、累積点数は0点に戻ります。なお、累積点数がリセットされても、違反歴や事故歴そのものは消えません。

・一定点数で免停・免許取り消しになる

累積点数が行政処分の基準点に達すると、免許停止(免停)または免許取り消しになります。先の表に記したように、前歴がない場合は累積点数6点以上で免停、15点以上で免許取り消しとなります。

・処分が終わるとリセットされる

免停期間や欠格期間を無違反で過ごすと、累積点数はリセットされます。ただし、それまでの累積点数の代わりに前歴が付き、免停や免許取り消しになる基準点が下がります。

■前歴とは?

過去に交通違反で受けた行政処分(免停、免許取り消しなど)の履歴を前歴と呼びます。前歴のあるドライバーは交通違反の常習性があるとみなされ、行政処分の基準点が下がるほか、新たな処分を受ける際の処分量が重くなります。前歴には累積点数に似たルールが2つあるので、簡単に確認しておきましょう。

・前歴は3年でリセットされる

累積点数と同様に、前歴は3年間までしかカウントされません。免停や免許取り消しを受けても、以後3年間以上を処分なしで過ごせば前歴のカウントはリセットされます(処分歴そのものは残ります)。

・1年以上の無事故無違反でリセットされる

免停期間の終了から1年以上、または免許の再取得から1年以上を無事故無違反で過ごすと、優遇措置により前歴のカウントがリセットされます(処分歴は残ります)。

■欠格期間の長さはケースバイケース

検問で無免許運転が検挙されるケースは少なく、多くの場合はほかの違反で取り締まりを受けた際に無免許が発覚します。仮に信号無視の取り締まりで無免許運転が発覚したとすれば、違反点数27点で欠格期間は2年となるでしょう。

ただし、上記のケースでドライバーが停止中無免だった場合は、免停処分が完了していないため、免停を受けた時点の累積点数に27点が加算されます。仮に免停時の点数が13点だとすれば、累積点数は40点となり、欠格期間は4年となるでしょう。また、同じドライバーが前歴ありの停止中無免(2回目の免停中)だった場合は、欠格期間が5年間となります。

このように、無免許運転により課される欠格期間の長さは累積点数や前歴、および検挙されたときの状況で変わります。累積点数1点の違いで欠格期間が1年延びることもあるため、点数の低い違反も軽視はできません。なお、純無免で検挙された場合も一定期間は免許を取得できなくなります。車の運転は免許を取ってから楽しむようにしましょう。

免許はどうすれば再取得できる?

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無免許運転で取り消しとなった運転免許は再取得できます。ただし、無免許運転で検挙されてから免許を再取得するまでには、次のプロセスを経なければなりません。

警察での取り調べ 検察官による取り調べ 略式裁判~罰金の納付 欠格期間 取消処分者講習 教習所通学または一発試験 免許再取得

運転免許の再取得には、時間だけでなく手間と費用もかかります。無免許運転の検挙から免許再取得までの各プロセスを詳しく見ていきましょう。

■警察での取り調べ

検問や取り締まりで無免許運転が発覚すると、警察署への任意同行を求められ、取り調べを受けることになります。無免許運転で逮捕されるか否かはケースバイケースで、逮捕されても勾留されることはまれです。

■検察官による取り調べ

無免許運転で逮捕された場合は2日以内に、逮捕されなかった場合は書類送検後に、検察官による取り調べが行われます。逮捕されなかった場合の取り調べが行われるのは、検挙から2、3ヶ月後ごろとなります。

■略式裁判~罰金の納付

無免許運転が初犯であれば、裁判は略式裁判(書面で審理する裁判)となる場合がほとんどです。検察官による取り調べにより略式裁判が決まると、約1ヶ月後に略式命令(裁判結果の通知)が届き、さらに1週間ほど経つと罰金の納付書が届きます。

納付書に記載されている金額を納付すれば、刑事処分の手続きは終了です。なお、無免許運転の罰金は50万円以下と定められており、初犯に対する罰金は20~30万円程度となるケースが大半です。

■欠格期間

無免許運転に対する欠格期間は、「意見の聴取」を受けた後に届く「取消処分書」に記載された日付からスタートします。意見の聴取とは、予定されている処分が適正か否かを判断する行政手続きです。なお、これら行政処分の手続きは、前述の刑事処分とは無関係に進みます。

■取消処分者講習

欠格期間の経過後に運転免許を再取得するには、まず「取消処分者講習」を受けなければなりません。取消処分者講習は運転免許試験場または指定自動車教習所で受講でき、受講時間は13時間(2日に分けて実施)、受講料は30,550円となっています。

■教習所通学または一発試験

取消処分者講習を受講すると、運転免許試験の受験が可能となります。自動車教習所で免許の再取得を目指すか、運転免許試験場での一発合格を目指すかは本人次第です。前者は費用がかかるものの、ほぼ確実に免許を再取得できます。運転技術に自信のある方は、一発合格に挑戦してみてもよいでしょう。

■免許取得後も運転には要注意

技能試験と学科試験に合格すれば、ふたたび運転免許が手に入ります。なお、欠格期間終了から5年以内に免許取り消し処分を受けると、新たに課される欠格期間が前回よりも2年長くなるので注意しましょう。運転免許を再取得できたら、同じ過ちを繰り返さないように法令遵守と安全運転に努めてください。