外為オンライン・アナリストの佐藤正和さん(写真)に2月相場の見通しを伺った。

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新型コロナウイルスのパンデミックによる景気減速への対応策として実施されて来た「FRB(米連邦準備制度理事会)」の様々な金融政策が、ここに来て大きな方向転換を遂げつつある。当初予定されていた金利引き上げのスケジュールも、年内に4回とも5回とも予想されている。その影響で、株式市場は大きく下落し、債券市場や為替市場も、変動幅の大きな展開を見せている。外為オンライン・アナリストの佐藤正和さん(写真)に2月相場の見通しを伺った。

 ――FRBの利上げが確実となり、株式市場は調整局面に入りました。為替市場への影響は?

 1月26日に行われたFRBのパウエル議長の記者会見では、明確に「政策金利を引き上げるのが適切だ」と述べ、3月のFOMCで政策金利を引き上げることを示唆することになりました。この発言自体は予想された通りでしたが、引き上げ幅や回数については「何も決まっていない」と述べるにとどまり、明確な姿勢を示さず、不透明な部分が残ったとして株式市場は大きく値下げしました。

 3月からの金利引き上げはすでに市場も折り込み済みで、今年中に4回金利引き上げがあることも折り込んでいたはずですが、パウエル議長の発言が否定的に捉えられて、株式市場は大きく下落しました。

 加えて、ウクライナ情勢の緊迫化などもあり、1月は株式市場が大きく売られ、金利も不安定な動きになりました。為替市場は、一言でいうと「ドル独歩高」という状況ですが、こうしたトレンドは2月も続くのではないかと考えられています。

 ――2月相場の注目すべき点とは何でしょうか?

 2月は、FRBの金融政策を決定する「FOMC(米連邦公開市場委員会)」がありません。同様に日本銀行の金融政策決定会合もないため、市場の思惑が迷走しがちです。こうした状況の中では、やはりベーシックな統計についてきちんと見ておく必要があると思います。

 例えば2月4日には、米国の雇用統計が発表されます。以前ほど為替市場に影響をもたらさなくなってきましたが、その動向にはやはり要注目です。前回の雇用統計では、12月の非農業部門雇用者数は19万9000人の増加となり、市場予想を大きく下回りましたが、2月4日に発表される1月の市場予測では17万8000人の増加となっています。失業率は3.9%(前回12月は3.9%)の予想です。オミクロンの影響がどの程度出るのかを見極める必要がありそうです。

 さらに、米国のCPI(消費者物価指数)にも注目しておきたいものです。前回は7%を超える大きな上昇幅になりましたが、原油高でどんな影響を受けるのか。金利引き上げに直結するだけに注目しておきましょう。

 そういう意味では、原油価格そのものの動向にも注目したいものです。現在WTIの原油先物市場は1バレル=87ドル台後半にまで達していますが、今後100ドル台まで行くのではないかという懸念もあります。とりわけ、ウクライナにロシアが侵攻するようなことになれば、世界全体に大きな痛手をもたらす可能性があります。FRBの金融緩和政策を早める要因のひとつになりかねません。

 FOMCや金融政策決定会合がなくても、様々な機会を使って中央銀行はメッセージを出してくる可能性があります。とりわけ、金利引き上げや資産縮小に対するニュースはこまめに見ておく必要があります。

 ――株式市場が大きく下落していますが、為替市場に与える影響は?

 このところのドルの動きは、あらゆる通貨に対してドルが買われる「独歩高」の状態が続いてきました。この状態が今後も続くかどうかですが、やはり株式市場がポイントになると思います。