GAFAなどが金融に進出する中、三菱UFJFGはどう反転攻勢をかけるか
金融のデジタル化が本格化する中、日本の大手銀行グループは、新たなプラットフォームを築くことができるか─。
2021年9月2日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)はスマートフォンを通じて、資産形成に向けた様々な金融サービスを総合的に提供するサービス「MoneyCanvas」を今年12月から開始することを発表した。
株式や投資信託、クラウドファンディング、ファンドラップ、ロボアドバイザー、ポイント運用、さらには保険など、利用者がニーズに合わせて、自由に組み合わせて利用することが可能。
今回のサービスが生まれた背景にはMUFGが今年度からスタートさせた中期経営計画がある。この中で新たに「デジタルサービス部門」を立ち上げた。
新サービスを検討する中で「デジタルといえばスマートフォンが、お客様の生活に密接に関わっており、スマホ起点のサービスが必要だった。そして他の企業様と協業して、お客様に金融サービスをお届けすることが重要だと考えた」と話すのは、三菱UFJ銀行デジタルサ
ービス企画部企画グループ次長の田中誉俊氏。
今回のサービスが対象とするのは、資産形成をこれから始める、あるいは始めたばかりという層や、まだ資産形成の重要性に気づいていない層。「ご自身に合ったサービスを見つけていただき、スムーズにお取引できるようにしていく」(田中氏)
これを実現するのがAPI(Application Programming Interface=ソフトウェアやアプリケーションなどの一部を外部に公開することで、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有できるようにできる仕組み)。MUFGのサービス、あるいはサービスに参画する他社
のサービスに変更があっても、消費者はシームレスに取引をすることができる。
このMoney Canvasの特徴は、MUFGや三菱グループの企業だけでなく、グループを超えた他の大手、ベンチャー企業も参画していること。
ポイントの株式交換サービスで大和証券グループのスマホ証券会社・CONNECT、保険では東京海上日動に加えて損害保険ジャパン、貸付ファンドのオンラインマーケットを展開するベンチャー・ファンズといった顔ぶれ。
従来、どうしても日本の銀行は自前主義で、グループ内で完結させるか、自らが属する企業グループ内に閉じてしまう傾向があった。それが今回は「オープンプラットフォーム」としている。この背景は何か。
「お客様に合う商品をお届けする事を第一に考え、それがグループ外にあるのなら自前に拘らず協業により提供する、という考えがあった」と田中氏。
例えば、損保ジャパンはデータ活用ビジネスにカジを切っていることに加え、介護ビジネスを展開。若い世代にも関心の高い領域を手掛けていることで連携を決めた。
大和証券グループのCONNECTはスマホ特化で、初心者を対象としていることが大きかった。グループのauカブコム証券も参画しているが、どちらかというとデイトレードを行うプロに近い層がターゲットだけに棲み分けができるという判断。
ファンズは、クラウドファンディングに取り組む企業。個人からの資金を活用して事業を行いたい企業がファンドを組成、個人が出資した資金を、事業を行うグループ会社に貸付、その事業から得られた利益が返済金となり、最終的に投資家に分配される。投資家にとっては少額から、ミドルリスク・ミドルリターンの投資となり、企業側は新たな資金調達の手段となる。
