実はファンズは、19年にMUFGが開催したアクセラレータプログラムで準グランプリを獲得した企業。新規事業にかける思いを共有したベンチャーが、自社サービスに載る存在になったということ。「個人、法人いずれのお客様にも付加価値を提供する協業ができるようになった」(田中氏)

 さらに、今回のシステム構築を担っているのが、フィンテックベンチャーのフィナテキスト。同社は非金融企業などに、金融のインフラを提供する事業を展開している。これも従来であれば大手ITベンダーなどに依頼するところだ。

「社長の亀澤(宏規氏)以下、様々なことに『挑戦をしよう』と言っている。デジタルサービスにおける挑戦に重要なのが開発スピードと柔軟性。この要素を持たれていた点が決め手」

 課題は顧客接点。かつては銀行店舗で現金を引き出していたものが、その後コンビニに舞台が移り、今はキャッシュレスの時代になっている。銀行利用者へのアピールだけでなく、現在提携しているNTTドコモを始めとした他社との協業も重要になる。

 また、Money Canvasでの決済機能については、まだ決まっているものはないが、MUFGとしては年内にもリクルートと連携してキャッシュレス決済を始めるなど新たな取り組みを進める。

 今は、グーグルが日本の決済ベンチャーを買収するなど、海外の大手が日本の金融に入り込もうとし始めている。これに対しては「『お金を融通する』のが金融機関の本業。お金のことで困ったら、我々を頼っていただける存在になる。本件ではお客様の資産形成に必要な商品・方法をスマホ起点・デジタル活用により融通する形にて、培ってきた金融の専門家としての力を発揮したい」と話す。

 ITプラットフォーマーに対し、金融発のプラットフォームとして対抗することができるか。

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