ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第12回)

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ミキハウスがメルカリで高人気を呼ぶ理由

「いいものを適正な価格で売っていく。つくっている人も売れるからいいし、買った人も納得する」という木村の経営観。

 商品をつくる人、売る人、そして買う人の3者が共にハッピーになる関係づくりである。

 さらに子供服は着ている子供が大きくなればサイズが合わなくなり”不用”になる。

 それで終わったら何とももったいないし、社会的に見てもロス(損失)である。

「子供が大きくなったからといって、すぐゴミになったらあかんのです。使った後、誰かに使ってもろうたらいいんです。また、メルカリで売るというのも1つの方法。僕とこの商品はメルカリで売れるからね」

 メルカリ。誰もがネット上で簡単にモノの売り買いができるというフリマアプリである。

 創業者・山田進太郎が「限りある資源を循環させ、より豊かな社会をつくりたい」という思いで、2013年に創設。

 最新テクノロジーを使って新たな価値を生み出す「世界的なマーケットプレイスを創ろう」という事業は瞬く間に人々の間に浸透。世界中の個人と個人をつなぎ、モノのやり取りができる利便性が人々の心を掴んだ。

 そのメルカリで『ミキハウス』が人気を呼ぶ。

「そう、子供が大きくなったら、その服はおチビさんですやん。それで、うちのがメルカリに出されると、すぐ売れる。そうやって皆さんがメルカリを活用されているんです」

 メルカリのフリーマーケットで『ミキハウス』は上位に位置する。エルメスやシャネルといった世界の高級ブランドが並み居る中で、上位をキープするというのは立派だ。

 ミキハウスの顧客も、自分の子供が成長して、自分のところでは不用になったとして、それではもったいないと次の愛用者を探し出すことができる。

 大切な服を皆で共用しようという動きでもあり、文字通り”限りある資源を循環させ、より豊かな社会をつくる”という意識の共有化である。

ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第9回)


外国人のお客さんから「社長に会いたい」と

 上質な品と出会うと、感動と喜びを感ずる――。これは、国境を越えて、誰しもが経験することであろう。

 創業時から「最高級のベビー服をつくろう」という思いを抱いて、『ミキハウス』を内外の顧客に届けてきた木村。

 その木村のもとに、コロナ危機の前、東京・銀座の有力百貨店から電話がかかってきた。

「今、米国から来られた老夫婦が買い物をされたんですが、本当に素晴らしい肌着だねと。こういう肌着をつくり上げる人に是非お会いしたいものだと言っておられました」という報告。

 その老夫婦は孫のためにベビー服と肌着を買い求めたそうだが、他の製品と比較して、赤ちゃんの肌を守る縫製に感動したのだという。

 また、別の日には、シンガポールからの来店客からも「責任者に会いたい」という申し入れがあった。

 子供や孫のために、品質の高い製品を求めるニーズは国境を越えてもあるということ。

 自分の子供や孫のために、というだけではない。親しい友人に贈り物をしたい時、心のこもった良い品を贈りたいと思うのが人情である。

「ええ、知り合いの娘さんに子供が生まれた時、ミキハウスの売り場に相談に来られるお客さんは多いです。一番高いモノはどれ? という人が確実におられるということです」

 高いから売れる――。木村が、顧客の消費行動をずっと見続けてきて本質を衝いた言葉。もっとも、価格が高ければ即、それが高級品だと消費者が受け止めてくれるということではない。

「価格もさることながら、品質やデザインにこだわり続ける。素材選びの段階からいいものを選び、最高級の品質に仕立てていく」という木村の考え。

 価値観や国家運営の制度・仕組みが違うと国家間の対立も見られる昨今だが、子供服・ベビー服の領域では、”いいもの”に出会った時、感動と共感を呼び起こす。それは、国を越えての感動の共有であり、それを大事にしたいと木村は語る。

(敬称略、以下次号)

【母の教え】木村皓一・ミキハウスグループ社長