ワクチン接種進まなければ「円売り」か? 外為オンライン佐藤正和氏
加えて7月には東京オリンピックの開催が控えており、6月はその動向も注目されそうです。絶対ではありませんが、この状況では政府は東京五輪を実施する構えが強く、感染者数の推移によっては為替市場にも影響があるかもしれません。ワクチン接種の進捗状況と新規感染者数の推移を毎日細かく見ていく必要があります。とりわけ、懸念されるインドの変異種の拡大には要注目です。
――6月の各通貨の予想レンジは?
すでに7〜8割の確率で「イギリス変異種」に置き換わったといわれる新型コロナウイルスの感染状況ですが、6月以降はインドの変異株の動向に注目したいものです。いずれにしても、欧米先進国はワクチン接種率が進んでおり、遅れている日本は米ドル、ユーロをはじめとするクロス円がともに円売りの傾向が強まると考えていいでしょう。問題はどこまで、「円」が売られるかですが、これもワクチン接種の動向に大きく左右されそうです。
●ドル円・・1ドル=108円−111円
●ユーロ円・・1ユーロ=131円−135円
●ユーロドル・・1ユーロ=1.20ドル−1.23ドル
●英国ポンド円・・1ポンド=152円−157円
●豪ドル円・・1豪ドル=83円50銭−86円
――6月相場で注意する点を教えてください。
現在の為替相場では「安定した円売り」のトレンドが強く、為替市場ではドルが買われて円が売られる傾向が今後も続くと考えられます。こうした傾向はクロス円ではさらに強く、英国ポンドなどはすでに短期間で大きく買われています。
ただドル円に関しては、1ドル=112円を突破していくのは難しく、一定以上の円安は難しいかもしれません。そう考えると、ユーロや英国ポンド、豪ドルといったクロス円に注目して、たとえば「円が上がったときに買い、円が下がったときに売る」。そんなトレードを基本にするといいと思います。
基本的に小さなポジションで繰り返し売買をすることで利益を積み上げていく方法が良いのかもしれません。後はワクチンの接種状況が順調に進むかどうかを日々チェックすることが大切です。(文責:モーニングスター編集部)
