写真はイメージです(以下同じ)

 新型コロナウイルスは、これまでくすぶっていた夫婦の価値観の違いを一気に浮き彫りにした感がある。たがいに家にいる時間が長くなって、見ないですんでいた側面を見ざるを得なくなったのかもしれない。

 コロナで夫の本性がわかったという女性に話を聞いた。

◆一目惚れした彼には交際相手がいたが…

 アリサさん(34歳)が、友人の結婚式で知り合った同い年の男性と結婚したのは2年前。

「実は私の一目惚れだったんです」
 と彼女は恥ずかしそうに言った。アリサさんはもともと、「顔が好みだったら結婚生活、何があっても耐えられる」と公言していたという。

「ケンカしても顔が好みなら、すぐ仲直りできるし。夫となった人は本当に顔が好きだったんです。私からその日のうちに連絡先を聞き出してデートに誘いました」

 彼には当時、つきあっている女性がいると共通の知人から聞いていた。だがアリサさんはめげなかった。たびたび自分から誘い、彼がアメリカのプロバスケットボール・NBAが好きだと知って必死に勉強、あたかも趣味が同じであるかのようにふるまった。

「何度目かに会ったとき、彼が『うちにNBAのDVD、たくさんあるよ。見る?』と。もちろんと彼の部屋に行って、NBA鑑賞と同時に彼とも深い仲になって。

 彼は彼女がいることを私に内緒にしていました。だから脈があるかもと思って。ただ、その後は私からプッシュするのは控えたんです。そうしたら彼のほうから積極的になってきて。駆け引きがうまくいった」

◆忙しいときは自分をごまかせたけれど

 あなたはモテるから彼女、いるんでしょう、私の出る幕はないよねと涙ぐんで見せたりもした。それが男心を刺激したのか、彼は3ヶ月後には「彼女と別れた」と言ってくれたという。

「やった、と思いました。その後、元カノからSNSで嫌がらせを受けたりもしたんですが、そのたびに涙目で彼に『私はあなたが好きなだけなのに』と訴えて。彼ももうはっきりさせたほうがいいと思うと言い、『結婚しよう』と。そんなに早く結婚にこぎつけるとは思っていなかったのでうれしかったですね」

 結婚したという事実があれば、元カノからの嫌がらせもなくなるだろうと彼は判断したようだ。そして実際、嫌がらせもなくなり、周りは祝福してくれた。婚姻届を出し、アリサさんが彼のマンションに引っ越して同居を始めた。

「あのころは忙しかったけど、毎日が幸せでした」

◆コロナ禍から噛み合わなくなった

 共働きで、家事の負担はアリサさんのほうが多かったにもかかわらず、「夫の顔を見るとつかれも吹き飛んだ」と彼女は言う。夫がにこっと笑ってくれれば、「何でもしちゃう」という気分になったそうだ。

 ところがコロナ禍で、夫は週3日出社、アリサさんが週1日出社となった昨年4月ころから、少しずつ歯車が噛み合わないことが増えていった。最初は一緒にいられる時間が増えたことを喜んでいたアリサさんだが、夫の危機管理がなっていないことが気になっていく。

「ウィルスがどんなものかわかるにつれ、対策も変わっていきましたよね。私は玄関先で服を脱いでバスルームに直行、シャワーを浴びてからリビングに入るようにしていました。もちろん手荷物はスプレーで消毒。今もそうしています。

 でも夫はマスクは欠かさないものの、帰宅後は普通にリビングに入ってくる。せめて洗面所に直行してほしいと言ってもダメ。夏にはやたらと飲み会に行っていましたしね」

 顔を見ればすべて許せるという話ではなくなっていったのだ。あげく、9月に夏休みをとって沖縄に旅行しようと言い出した。

◆「オレの顔を見れば何でも許せるんだろ」「沖縄旅行はやめようという風潮の中でそんなことをいいだしたので、いくらなんでもと大げんかになりました。夫に言わせれば私が神経質すぎると。どんなに神経を遣っても遣いすぎることはないと私は思っていたんです。