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実の父親が盗撮。もう父親に会いたくないーー。このような相談が、弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者は、数年前に実の父親が見知らぬ女性を盗撮した動画を発見。幼い娘を持つ相談者は「娘が大きくなってから、実の父から被害に合わないかと心配でたまりません」と悩んでいます。

父親が娘に会いにくることを苦痛に感じ、「どうにか父親と会わないようにできる方法はないでしょうか」と質問しています。盗撮などの振る舞いを理由に、父親が自分や娘に近づかないようにする方法や手段はあるのでしょうか。小田紗織弁護士にききました。

●「連絡を拒否したり、住所を知らせないことは可能」

盗撮していた父親と距離をとる法的な方法や手段はありますか?

「現時点で、相談者の方や娘さんには実害がないのだけれど、不安があるということですね。現状では父親が接近することを禁じるなどの法的手段はとれません。

相談者の方の意思と行動で父親と物理的に距離をとるか、引っ越しなどが難しいのであれば、父親が会いに来ることを避けるしかありません。

相談者の方が父親からの連絡を拒むことや、父親に住所を知らせず引っ越すことは、法的には問題ありません。

ただし、直系の親族や配偶者などは『戸籍の附票の写し』を取得することができます。附票には住所が記録されていますので、父親が調べようと思えば、相談者の方の住所を知ることは難しくありません。

また、父親は、突然、娘である相談者の方、お孫さんに会えなくなれば、理由が分からず混乱するかもしれません。それでも距離をとりたいという覚悟をお持ちなのであれば、場合によってははっきりと理由を告げても良いかもしれません。

なお、相談者の方が発見されたという父親が盗撮した動画が具体的にどういうものかが分かれば、他にも手段があるかもしれません。

場合によっては、その動画を持っていることが『児童ポルノ禁止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)』違反となり処罰の対象となることもあります」

【取材協力弁護士】
小田 紗織(おだ・さおり)弁護士
法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士を目指し活躍中。
事務所名:神戸マリン綜合法律事務所
事務所URL:http://www.kobemarin.com/