山口組総本部に家宅捜索に入る警視庁と静岡県警の捜査員(共同通信社)

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 ヤクザ事情に詳しいフリーライター鈴木智彦氏が山口組を含む現役組員100人にアンケート調査を実施した。暴排条例などもあり、ヤクザにとっては生きづらい世の中になっているが、果たして今後の彼らの人生はどうなると考えているのだろうか。

【ヤクザ100人に調査】安倍政権への所感や芸能人脈について

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◆Q:これからもヤクザを続けたいですか?

はい:35人
いいえ:65人

 本誌で5年前、似たような質問をぶつけた時は、ヤクザを続けたいと答えた人間が半数以上いた。ずいぶん“転職希望者”が増えた印象である。この程度のサンプル数で判断できることではないが、最近の取材では、雑談で「もうバイオレンスはこりごり」とか、「なんで国はヤクザに解散命令を出さないんだ(そうすれば堂々と大手を振ってやめられる)」と話す現役がけっこういた。「そろそろ限界」と打ち明けた幹部は、冬の到来と同時に引退した。

◆Q:自分を反社会的勢力だと思いますか?

はい:26人
いいえ:74人

 もっと極端な数字……反社会的勢力と呼ばれたくないという人が圧倒的な大多数と推測していた。取材時に「反社」という言葉を出すと強烈な拒否反応を示されることがよくあるからだ。

 ただしヤクザの感覚は一般人のそれとは重ならない。ヤクザ社会には、お上には楯突かないという不文律がある。彼らは常に権力に媚び、そのお目こぼしを狙う。ならば反社会的勢力という汚名も、次第に許容されるのかもしれない。かつて「我々は任侠団体であり、暴力団ではない」と法廷闘争を繰り広げたヤクザは、もはや自分たちを暴力団と呼ぶことになんら抵抗がない。

◆Q:令和の時代にもヤクザは生き残ると思いますか?

はい:98人
いいえ:2人

 大半の幹部・組員はこの質問に即答した。ヤクザはやっていけないと言いながら、なぜこんな回答になるのか理解できない。広域組織の幹部は、それについてこう説明した。

「ヤクザが法律で禁止されても、ヤクザの役割は消えない。形は変わっても、違法ドラッグの販売はなくならないし、売春だって、裏賭博だって消滅しない」

 ヤクザの住み処は人間の欲望である。彼らが消滅する時は、社会の終わりを意味するのかもしれない。

●調査・文/鈴木智彦(フリーライター)

※週刊ポスト2020年1月3・10日号