AQUOS zero2は、カジュアルゲーマーにワンランク上のプレイ体験をもたらす

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AQUOSシリーズには、フラグシップモデルの「AQUOS R」シリーズと、国内のAndroidスマートフォンにおいて販売台数が好調なミドルレンジの「AQUOS sense」シリーズがある。




特にAQUOS senseシリーズは、競合が多い3万円台からの価格設定でありながら、防水防塵機能やAIアシスタント「エモパー」、カメラ機能、シンプルなデザインなど、必要な機能をバランス良く盛り込んでいるシリーズとして人気が高い。
もちろん、シャープという日本のメーカーが作ったスマートフォンであることも強みである。

AQUOS Rシリーズは、AQUOS senseシリーズと被らないハイエンドスマートフォンを必要とする層をターゲットにした製品で、カメラ機能やディスプレイ、デザインなどシャープらしさを追求している。

ところで、スマートフォンにおけるシャープらしさとはなにか?

それは最適なディスプレイデバイスを自社で開発できるところにある。

スマートフォンとは、様々な処理や通信機能などを集約されたチップセットと、記憶用のメモリー、記録用のストレージ、リチウムイオンバッテリー、ディスプレイデバイスなどを組み合わせた製品である。

例えば、ハイエンドのチップセットと高速なメモリーとストレージ、大容量バッテリーと高精細で発色が綺麗なディスプレイを組み合わせれば、搭載パーツだけで高価な製品になる。

逆に、ローエンドのチップセットに、少ないメモリーとストレージ、バッテリー容量を小さくし、格安なディスプレイデバイスを搭載し、大量生産することができれば格安なスマートフォンとなる。




スマートフォンの仕様表(スペックシート)を見れば、メーカーや機種が異なっても共通の仕様があることに気付くだろう。

つまり、製品の差別化はニーズに合わせた価格と性能と、メーカー独自のデザイン(外観)、付加価値(カメラ機能や防水防塵、拡張機能など)なのである。

コストを抑えて安い製品を作ることもできるが、知らないメーカーの製品を買うには躊躇してしまう。しっかりとしたブランディングを行わないと、消費者は安心して購入できない。

つまり、安いスマートフォンを作ればシェアを取れるほど売れるのか?というと、そういうわけではないのである。

シャープの強みは、
・価格に見合ったベストバランスの性能に落とし込んだこと
・防水機能やメモリー容量やストレージ、拡張機能などストレスなく使用できること
・2年後の買い換えサイクルで次も購入したくなるという安心感が作れたこと
こうした積み重ねが「AQUOS」と言うブランディングを成功に導いたと言える。

では、AQUOS senseシリーズやAQUOS Rシリーズ、そして新製品AQUOS zero2での強みとなっている、自社開発のディスプレイデバイスとはどんなものなのだろうか。

AQUOS Rシリーズは、最新の液晶パネル「IGZO」を搭載する。
最新モデルの「AQUOS R3」は、明るさが2倍になり、さらに10億色表示を可能とした「Pro IGZO」を採用。

ディスプレイデバイスは、スマートフォンの中でもっとも使う頻度が多く、目にするものだけに、製品の良さが一番わかりやすい部分でもある。
例えば文字が読みやすい、写真が綺麗に見える、ネットの動画が綺麗に見えるなど、長く使って行く上で重要な要素だ。

AQUOS senseシリーズは、最新鋭のIGZOパネルではないが、同じくシャープ独自のIGZOパネルを搭載する。

IGZOパネルの特徴は、広い色域と明るさにある。
とくに明るさに関しては、最新のPro IGZOのように世代を重ねるごとに明るくなっている。
例えば、同じ電力でも明るさが100だった製品に対して、新しい製品が120の明るさを再現できた場合、新しい製品を旧製品と同じ100の明るさまで落とせば消費電力を抑えることができ、バッテリーを長持ちさせることが可能となる。

そして、旧製品の100よりも明るい120の明るさが実現できれば、屋外の明るい場所において旧製品より見やすいディスプレイとなるのだ。

さらにAQUOS zeroシリーズは、「液晶」のシャープが自社開発した「有機EL(OLED)」を搭載した製品である。

有機ELパネルは、カラーフィルターとバックライトを重ねた液晶パネルと異なり、自発光する薄いフィルム状のデバイスであるため、スマートフォンを薄くすることできる。また、柔らかいフィルム状であることから、ディスプレイのガラス側面を立体的にした2.5D加工にあわせて、有機ELを折り曲げて加工することもできる。

最近では折りたたみ可能な「フォルダブルスマートフォン」にも、有機ELが使用されている。




AQUOS zeroはこの自社開発した有機ELを搭載し、重さ約146gの薄くて軽いハイエンドスマートフォンとして世に送り出されている。

とくに外装の素材の選択や新設計の基板など軽量化を図ったことで、重さが増していく傾向にあったハイエンドスマートフォンとの差別化にも成功している。

他社に追従して有機ELを搭載した製品を作るのではなく、有機ELを搭載したことをプラスに昇華する製品作りがシャープらしさといえるだろう。

AQUOS zero2は、そうしたAQUOS zeroの2世代目となる。




新製品のコンセプトは「ゲーミングスマートフォン」の更なる追求だ。
フラグシップモデルのAQUOS Rシリーズとは異なるコンセプトを打ち出しているのだ。

自社開発の有機ELディスプレイと薄型・軽量であることは変わらない。
新製品では画面サイズを6.2インチから6.4に大きくし、2つのカメラを搭載しながら軽量化技術により、前モデルより3g軽い約143gを実現している。大画面で約143gは、手にした時の軽さに驚く。これは発売日近くに店頭で手に取って実感して欲しいところである。




新しい有機ELディスプレイは、10億色の色再現を可能とした表示の美しさが特徴だ。
美しい青空のグラデーションの再現や、10bit HDRの映像を漆黒から眩しい明るさまで表現できる新世代のものである。




さらに、表示に関しては一般的なディスプレイは1秒間に60回表示を切り替えで映像を再現しているところを、4倍速の240回の表示が可能としている。この高速表示可能な有機ELをAQUOS zero2では、通常の表示と黒の表示を交互に行うという使い方をしている。

つまり実質2倍速表示となるわけだが、通常の表示の間に黒を入れることで人の目が感じる残像を軽減し、動きがある映像でもハッキリと視聴することを可能なのである。

とはいえ、動画などの映像コンテンツは映画などの24フレームや、放送向けの30フレーム、60フレームであるため、2倍速表示の効果は薄い。

2倍速表示に対応したIGZO液晶を搭載するAQUOS Rシリーズでは、タッチ操作の追従性を特徴としているので、こうした操作感に関する部分はAQUOS zero2も効果がわかる部分でもある。

では、この2倍速で表示可能な有機ELは何のためにあるのだろうか?

それは、製品のコンセプトの「ゲーミング」にある。
制作段階で1秒間の表示フレームが決まっている映像作品とはことなり、ゲームに関してはスマートフォンのスペックによって表示フレームが変動する。

例えば、ハイエンドのスマートフォンであれば安定して60フレーム表示が可能なゲームでも、ローエンドのスマートフォンでは表示が追いつかずに半分以下の15フレームとなってしまい動きがカクカクして見えるとった状態になることもある。

これは、いわゆる重いゲームと呼ばれるものでも、性能に応じて表示を切り替えることで一定の遊びやすさを確保できるのである。
AQUOS zero2では、この表示フレームが可変するというところにメリットを見つけて、倍速表示をゲーミングにおいての優位性に特化させたと言える。

例えば、通常の60フレーム表示の場合、まだ敵が見えない状態の表示から、次のフレームで敵を見つけることができたとする。倍速表示であれば、60フレームの表示の間に1フレーム入るので、そこで敵を見つけることが可能となる。

つまり、60フレームでは見えない世界を倍速表示では常に先読みに近い状態で見ることができるようになると言うわけである。

もちろんこれは、倍速表示に対応したゲームに限られるのだが、対戦ゲームやタイミング重視でハイスコアを狙うゲームにおいては有効な機能となる。数十万円もするゲーミングPCの世界では、144フレームや240フレーム表示など、ハイフレームレート表示は必要不可欠な要素となりつつある。

その世界をスマートフォンにおけるゲーミングに取り入れたのが、AQUOS zero2である。

もちろん、倍速表示に対応するよう、ハイエンドのチップセットや高速メモリーを搭載し、高いパフォーマンスを維持できるよう冷却システムもゲーミングを意識したものを搭載している。




さらに、タッチの読み取りも1秒間に240回読み取ることが可能であるため、一般的なスマートフォンよりも4倍の精度でタイミング良くタッチ操作が可能である。




ともすればゲーミングスマートフォンは、冷却性能の追求のため厚みが増したり、ゴツゴツしたゲーミングスマートフォンらしいデザインにしがちだが、AQUOS zero2は薄くて軽いこと、そして美しい背面処理のデザインは、ゲーミング用途だけではなくハイエンドスマートフォンを必要としている層にちょうど良いスマートフォンなのではないかと思う。


執筆  mi2_303