日本では、結婚しても賃貸住宅に住むのは何らおかしいことではなく、こうした事実を知って驚く中国人は多いという。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では男性が住宅や車を所有していることが結婚の条件とされることが一般的であるため、若者は借金をしたり、親の援助を受けたりしながらマイホームを購入する。日本では中国と状況が大きく異なっていて、結婚しても賃貸住宅に住むのは何らおかしいことではなく、こうした事実を知って驚く中国人は多いという。

 日本人は中国人ほど「家」というものに執着しておらず、何が何でも家を所有することにこだわらない傾向にあると言えるだろう。中国メディアの今日頭条は16日、日本には大量の空き家が存在しているのに、「なぜ日本人は家を買わずに家を借りて住むのか」と問いかける記事を掲載した。

 中国では家を購入し、所有してこそ一人前とされる風潮がある。こうした考え方も、近年の住宅価格の高騰に拍車をかけた要因の1つと言えるだろう。記事は、中国と対照的に「日本では住宅を購入するのではなく、賃貸する人も多い」と伝え、空き家が増えていて簡単に家を購入できる環境にありながら「日本人はなぜ家を買わないのか」と疑問を投げかけた。

 これに対して記事は、「日本でもかつて不動産価格が高騰した時期があるが、バブル崩壊によって不動産神話は一度崩壊している」と紹介し、これが不動産を所有することに対する意欲を減退させているのではないかと考察。さらに、住宅や土地を所有することで発生する「固定資産税」のほか、土地や家屋を相続した場合に生じる「相続税」を嫌い、親から不動産を相続せずに賃貸住宅で暮らし続ける日本人も少なくないと伝えた。

 他にも記事は、日本では1日でも誰かが生活した住宅はたとえ新しくても「中古」扱いとなってしまい、価値がいっきに20%ほど下がってしまうため、投資の対象として考えられていないと紹介。住んだ瞬間に資産価値が急落してしまうことも、日本人が家を買わなくなった理由ではないかと主張した。

 中国ではマンションを投資目的で購入する人が非常に多い。また、結婚の条件に加えられたり、住宅の所有の有無によって子どもが通える学校が決まってくるゆえ、多くの人が住宅を購入するため、中国では住宅の価格が高止まりしていて、若者達にとって頭を悩ませる問題となっている。空き家が大量に存在し、場合によっては非常に安い価格で購入できる日本は中国人にとっては非常に羨ましい状況にあるようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)