工事が9割完了した新国立競技場(今年7月)

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 パナソニックは11日、2020年東京五輪・パラリンピック関連の累計販売額が、当初目標比33・3%増の2000億円超になる見通しだと発表した。国内外40社以上のパートナー企業と協業、ソリューションなどで先行販売・事業化の実績を積み重ねている。井戸正弘執行役員が、同日のセミナーで販売目標の上方修正を明らかにした。「関連需要が当初より増えた。ホテルやオフィス、商業施設で当初のもくろみから大きく伸びた」とした。商品構成として「セキュリティーシステムやサイネージなど新しい商材を提案してきた成果だ」と語った。

 内訳は競技場などの直接需要が340億円超、ホテルなどの関連需要が1360億円超に加えて、東京五輪・パラリンピックなどを契機に創出する新規ビジネスで240億円超と試算する。ソリューションなどの新規ビジネスはさらに伸びる可能性がある。
日刊工業新聞2019年7月12日

ラグビーW杯も
 9月に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)日本大会。パナソニックは、18年9月に施設をリニューアルした東大阪市花園ラグビー場に、710型の大型発光ダイオード(LED)モニターや4Kカメラなど映像システムを納入した。

 スタンドの一画に設置された縦幅約8メートル、横幅約16メートルの大型モニターは、高輝度のフルカラーLEDを採用。昼夜や天候を問わず、ピッチの上にいるレフェリー(審判)もこのモニターで判断ができるくらい鮮明な映像を映し出せる。トライシーンや判定の検証時、リプレイ映像を映すことで観客と選手、レフェリーが映像を共有して試合が盛り上がる。

 また、業務用4K映像カメラ2台のほか、スタンドの天井付近に設置した4Kネットワークカメラ4台を納入。カメラ制御機器により、遠隔でネットワークカメラの向きなどを集中制御できる。

 パナソニックは20年以上にわたり五輪・パラリンピック会場に、こうした映像機器システムを納めてきた実績を生かした。

 同ラグビー場は、年間で試合のある40―50日以外、PV会場などとして運営している。こうしたイベントでは、大型モニターによって臨場感のある映像が提供できる。ラグビーW杯を通じて同ラグビー場の知名度向上につなげつつ、結婚式などのイベント会場として多様な用途を模索するという。

日刊工業新聞2019年3月19日

2年前の皮算用
 2020年に開催する東京五輪・パラリンピック。「今の受注レベルで1000億円は間違いなく取れる」。パナソニックの執行役員兼東京オリンピック・パラリンピック推進本部長を務める井戸正弘は、放送機器や家電などの受注に自信を見せる。これらに加え、インフラ整備やホテル、商業施設といった周辺の受注を500億円上積みする算段だ。

 しかし同社が真に狙うのは、20年を契機に広がるBツーB(企業向け)システムの市場。井戸も「五輪のおかげで、この技術が世に出たと言われるような種まきをしたい」と力を込める。ターゲットは観光、スポーツ、スマートシティー(次世代環境都市)だ。

 観光は訪日外国人がカギを握る。17年の訪日旅行者は、最高を更新した16年の約2400万人超えが確実視され、政府は20年に4000万人へ増やす計画だ。同社は多言語翻訳、避難誘導用デジタルサイネージ(電子看板)、電動車いすなど、旅行者をもてなすシステムやサービスを多数実用化している。

 一方、政府が成長を後押しするスポーツ産業向けは、16年のブラジル・リオ五輪から始めた式典運営のほか、スタジアム内店舗支援、競技分析なども提案中。五輪でシステムとサービスを組み合わせたソリューション事業の実績を積み上げ、新設や改修が計画されるスタジアム、国際会議施設などの受注を狙う。