大阪桐蔭の主将を務める中野波来【写真:沢井史】

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大阪桐蔭は15日に初戦、春夏連続甲子園出場を目指す履正社は14日に登場

 第101回全国高等学校野球選手権大阪大会の組み合わせ抽選会が21日に大阪市内で開催され、174校の3回戦までの対戦カードが決まった。

 昨年、春夏連覇を果たした大阪桐蔭は2回戦からの登場になり、15日に花園セントラル球場で東淀川との対戦が決まった。中野波来(はる)主将(3年)は早々にクジを引いて日程は決まったものの、なかなか対戦相手が決まらず。それでも中野主将は「不安というよりワクワク感しかなかったです」とリラックスしながら抽選の状況を見つめていた。昨年は春夏連覇を果たし、17年からの3年連続の夏の甲子園出場に期待が高まるが「連覇というより、自分たちはひとつひとつ勝つしかありません」と表情を引き締めた。

 チームは5月から招待試合など遠征が続いているが、完敗する試合もあり課題は多い。昨年からレギュラーが大きく入れ替わり経験値の浅さは否めないが、それでもチームで一丸になり5月下旬からの強化練習に向き合っている。「技術練習というより、精神的に鍛えないといけないところがあります。今は練習では西谷先生(監督)から指示をされるより、自分たちで考えながら動くようにしています」と、自主性を高めながら夏に備えている。

 6月上旬には昨年の主将の中川卓也(早大)、一昨年の主将の福井章吾(慶大)、3年前の主将の吉沢一翔(早大)らがリーグ戦を終えてグラウンドに挨拶に来た。その際に全員を前に夏に勝つための心得を話してもらい、そのひと言ひと言に熱心に耳を傾けた。「自分や(副主将の)宮本がブレてしまったら終わり。秋、春と、このチームは負けているので、その悔しさをしっかり持って戦っていきたい」と巻き返しを誓った。

 一方、今春の選抜出場の履正社も2回戦からの登場で、14日に万博球場にて池田との顔合わせとなった。野口海音(みのん)主将は「どのチームも夏の大会は全力で戦っていくと思うので、自分たちも対抗できるようにしたい」と決意を示す。

 チームの雰囲気は「今は良い方だと思います」。高校通算40本塁打に迫る4番の井上広大や2年生の強打者・小深田大地なども好調で、145キロ左腕のエース・清水大成の状態も上がっている。選抜では星稜の奥川恭伸に17三振を喫して完封負けし、初戦敗退。6月9日にはその星稜と練習試合を行い、4-3でサヨナラ負けしたものの、小深田が奥川からソロアーチを放ち、各打者も球をしっかり見極めながら食らいついていった。「あの試合で対応力は徐々に上がってきていると思いました」と野口。春は府大会準々決勝で敗れており「夏は最後まで勝ち切りたい」と意気込んだ。

 実はまだ春夏連続甲子園出場がない履正社。一昨年も選抜で準優勝しながら準決勝で大阪桐蔭に敗れた。昨夏は同じ準決勝で大阪桐蔭を土俵際まで追いつめながらあと1歩で敗退。いずれの試合もベンチ入りし、昨夏はマスクを被っていた野口は「先輩の思いも背負いつつ、去年の借りを返す気持ちは一番強いです」と語気を強めた。今年、夏の大阪の頂点に立てばチームとして新たな歴史を刻むことになる。

 大阪大会は来月6日に京セラドーム大阪で開幕し、順調に日程を消化すれば28日に大阪シティ信金スタジアムで決勝戦が行われる。(沢井史 / Fumi Sawai)