【韓国メディアの視点】高評価のカレンと“ソウルの救世主”と期待される高萩――。日本人Kリーガーの評価は?
開幕当初こそ2勝1分と好スタートを切ったものの、4月は1勝4分、5月以降は2勝3分9敗と調子を落とし、22節終了時点で下から2番目の10位と低迷。その要因には、守備陣に負傷者が相次いだことや、Jリーグでは通用した堅守速攻が機能していない点などが挙げられる。期待が大きかっただけにメディアでの反動も大きく、「背水のユン・ジョンファン」と題した記事があったり、一部では根拠のない選手との不仲説も報じられた。
そんな蔚山現代には、元日本代表で鹿島などでプレーした増田誓志が所属している。前半戦の成績は17試合・2得点。5月の全北現代戦で決めたボレーシュートは、Kリーグの“月間ベストゴール”にも選定されたものの、その後は目立った活躍ができていない。韓国のサッカー専門誌『FourFourTwo KOREA』のホン・ジェミン記者も言う。
「蔚山は守備陣に負傷者が出たことで失点が多く、守備的MFの増田への負担と責任も重くなった。増田への評価が低いのは蔚山のチーム成績とも関係しているが、Kリーグ1年目の時ほうが印象的な活躍をしていたのも事実。ここまでは今ひとつ調子の波に乗り切れていない」
ホン・ジェミン記者は、「むしろKリーグの日本人選手としては、2部リーグのイーランドFCに所属するカレン・ロバートのほうが好印象だ」と話す。
「イーランドFCは今季からKリーグに参入した新設クラブ。ボビー(カレン・ロバートの愛称)はそこでしっかり主軸を務めている」
韓国では“ボビー”の登録名で背番号10を背負うカレン・ロバートは、20節終了時点で16試合・1得点・2アシストと特筆すべき成績を収めているわけではない。しかし「右サイドはボビーの独断場と言えるくらい存在感を発揮している」(ホン・ジェミン記者)という。サッカー専門サイト『FOOTBALLIST』のリュ・チョン記者もこれに同調する。
「得点こそ少ないが決定機にはいつも絡んでいて、2部では群を抜いて技術が高い。全盛期こそ過ぎたものの、元日本代表経験者(U-20、五輪代表)の肩書きはダテじゃない」
こう語ったリュ・チョン記者が今、秘かに期待しているのは6月にFCソウルに加入した高萩洋次郎だという。ウェスタン・シドニー・ワンダラーズを退団後、アジア枠選手としてFCソウルに加入した高萩は、“ソウルの救世主”との期待が高まっているという。
「ソウルは2年前の主将だったハ・デソンが中国リーグに移籍した後、ゲームメーカーの不在に苦しんできた。今季はアーセナルなどでプレーしたパク・チュヨンが復帰し、前線が強化されたにもかかわらず得点が少なく、ACLはもちろん、ライバルの水原とのダービーマッチでも得点力不足を露呈し、前半戦を終えて6位に止まった」
「前線に効果的なパスを出せる選手が必要だったなか、チェ・ヨンス監督はACLでウェスタン・シドニー・ワンダラーズと対戦した時から高萩を評価し、獲得を望んでいたらしい。(同監督にとって)まさに喉から手が出るほど欲しかった存在だった」
過去にも前園真聖(2003年)、エクスデロ・セルヒオ(2012〜15年)が所属するなど日本人選手と縁があるFCソウルにとって、高荻は巻き返しへのキーマンとして注目されているわけだ。
7月17日のKリーグ・オールスターを含めた2週間の中断期を経て、25日から再開されるKリーグ。後半戦は日本人選手の活躍を大いに期待したい。
文:慎 武宏(スポーツライター)

