「午前7時になると、インターネットがつながらなくなってしまう」という不思議な現象が、人口400人ほどの小さな村で毎日のように発生していました。なぜこのような現象が発生したのかを、インターネットサービスの情報メディアであるISPreview UKが報告しています。

18 Months of Village Broadband Disruption Traced to Old TV Set - ISPreview UK

https://www.ispreview.co.uk/index.php/2020/09/18-months-of-village-broadband-disruption-traced-to-old-tv-set.html

Old TV set interfered with village’s DSL Internet each day for 18 months | Ars Technica

https://arstechnica.com/information-technology/2020/09/old-tv-set-interfered-with-villages-dsl-internet-each-day-for-18-months/

イギリスのウェールズにある約400人の住民が暮らす小さな村・アベルホサンでは、毎朝、午前7時になると村全体でインターネットがつながらなくなってしまうという現象が約18カ月にもわたって発生していたそうです。村の住民から問い合わせを受け、イギリスでインターネットサービスを提供するBTグループの子会社Openreachが調査を開始しました。

Openreachのエンジニアたちは村にある古いケーブルを交換するなどして問題の解決に努めましたが、効果はなかったとのこと。「問題をすぐに解決できなかったことで私たちは落胆しましたが、根本的な原因を突き止めようと決心し、周波数の解析を行うスペクトラムアナライザを使って電磁干渉が発生していないか調査を始めました」と、調査にあたったOpenreachのエンジニアであるマイケル・ジョーンズ氏は語っています。

スペクトラムアナライザを使い始めた日、不運にも豪雨に見舞われたジョーンズ氏らは、悪天候に屈することなく午前6時から村中を歩き回りながら調査を行ったそうです。そして、午前7時ちょうどに大きな電磁干渉が発生したことをスペクトラムアナライザが捉えたとのこと。電磁干渉は村の敷地内、ある住民の家から発生していました。

ジョーンズ氏によると、その住民は毎朝、午前7時頃に古いブラウン管テレビのスイッチを入れるのが日課であったようです。テレビのスイッチがオンになった途端、村全体のインターネットがつながらなくなっていました。ブラウン管テレビや電子レンジなどの家電製品は、電話回線を使用したインターネット接続方式であるデジタル加入者線(DSL)に電磁干渉を及ぼしやすいとされており、そのためブラウン管テレビの電源がオンになった瞬間、村全体でDSLのインターネットが使えなくなってしまっていたとのこと。

「ご想像の通り、このことをテレビの持ち主に指摘したところ、自分のテレビが村全体で起きたインターネットの問題の原因になっていたと知った持ち主は愕然とし、すぐにスイッチを切って二度と問題のテレビを使わないことに同意してくれました」とジョーンズ氏は当時の状況を振り返っています。なお、なぜ一軒の家にあるブラウン管テレビが村全体に影響を与えてしまったのかは記事作成時点では明らかになっていないとのこと。しかし、村の住民たちは問題が解決されたことに安堵したそうです。また、村のインターネット回線は2020年後半には光ファイバーを使用したFTTHへと変更されることが決まったとOpenreachは報告しています。