「声の低い男性」は、精子の数が少ない!? 【テレンス・リーのニュースを斬る!】
「声の低い男性」は、精子の数が少ない!? 【テレンス・リーのニュースを斬る!】
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最近、実に興味深い研究結果が発表された。本来、テストステロン(男性ホルモン)値が高いはずの「声の低い男性」は、精子の数が少ない傾向にあるというのだ。
これは進化生物学者のリー・シモンズ博士が発表したものだが、同博士によれば「女性に魅力的と感じる声の低音化に男性ホルモンが費やされたぶん、精子の生成が抑制された可能性が考えられる」のだという。すなわち、女性が優秀な遺伝子を得るための指針となっていた「男らしさ」の基準は、必ずしも生殖能力とは一致しないことを証明したわけだ。
だが、こうしたことは東アジアの歴史において斬新なこととはいえない。動乱期や飢餓期には恰幅がよく、男らしいタイプが支持されるセオリーはあるものの、幾許かでも安定期になるといわゆる「優男」が人気を博すことになる。一方、欧米諸国では依然として男性ホルモン垂れ流しタイプが「セックスシンボル」と捉えられている。社会学、民族学的考察は様々あるが、欧米人は往々にして内面のみならず外面にも成熟を求めるからだといわれる。少なくとも見た目の若々しさを競い、あるいは誉められて喜ぶことを欧米人の女性は好まない。むしろ実年齢より若く見られることを拒否するのが普通だ。反対に東アジア、とりわけ日本では表面的な青臭さを追求するアンチエイジングが持て囃されて久しい。こうした傾向が行き過ぎた結果かどうか知らないが、「草食系男子」なるユニセックスな存在の台頭は、欧米と別の意味で精子の希薄化を危惧せざるを得まい。いずれにせよ洋の東西を問わず、何らかの原因で男性機能が低下しているらしいことは否めない。生殖機能、繁殖能力の低下というべきだろうか。セックスレスが激増する日本ではやはり男性機能低下とみるべきだろうか。ともかく「らしさ」という概念に疑問符を打たねばならない時代となったことは間違いないようだ。男らしさ、女らしさのみならず、子供らしさなどすべての「○○らしさ」を疑ってかかる必要があるかもしれない。故にこそ、2012年はあらゆる固定観念の転換点となる気配を強く感じるのだ。(テレンス・リー)