光のおじさん

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「スキマ時間に高収入」という言葉に誘われ、踏み込んだ副業の世界が、いつの間にか“地獄の副業”へと変わっていく──!? YouTubeやVTuberなど、気軽に始められる配信ビジネスだが、その裏側では、長時間配信や低収入、心無いコメントの数々で、精神崩壊寸前に追い込まれる人々がいる。夢の副業は、なぜ泥沼に変わってしまうのか?
◆100日連続配信でも月収はお小遣い程度

 今やエンタメコンテンツのひとつであり、人気副業としても知られる“配信ビジネス”だが、その実態はけっして華やかなものばかりではない。多くのユーザーに親しまれ、コンスタントに収入を得られるのはほんの一握り。残りの配信者は、膨大な時間と気力を吸い取られ、副業とは名ばかりのお小遣い程度の収入しか得られないという。

 今年の春から配信アプリでVTuberデビューを果たした藍さん(仮名・30代)も、「まさか、これだけ大変なのに稼げないとは思わなかった」と、疲れ切った表情でこう明かす。

「所属している事務所の人から、『毎日、決まった時間に配信しないとファンが付かないし、売上も少ないよ』と言われたんで、もう4ヶ月ぐらいは休まずに配信を続けているんです。でも、月の収入は千円から二千円ぐらい。いちばん稼いだ月でも、五千円には届きませんでした」

◆やめたいのに、やめられない

 藍さんによれば、本業の仕事を終え、家族の用事を済ませた夜10時か11時ごろから、毎日のように約2時間の配信を行っているという。それほどのハードスケジュールなら、自分のペースで休めばいいと思うが、そこにはなかなかやめられない心理が働いているようだ。

「一度、配信の中で『最近、疲れ気味だから、明日休もうかな』って、しゃべったことがあるんです。すると、数少ないフォロワーの一人が、『毎日がんばるっていうから応援してたのに』ってコメントしてきて。もし休んだらフォロワーが離れて、ギフト(投げ銭)も無くなるんじゃないかって。こんなに続けてきたのに、収入が減るって考えると、なかなか休めないんです」

 さらには、事務所に所属していることも、藍さんの大きな足かせになっていると話す。

「個人で配信するよりも、事務所に所属した方が取り分も増えて収入が多いと聞いたので所属を決めました。でも、新入りさんがデビューすると応援に駆けつけてコメントをしたり、先輩の記念配信があれば、身銭を切ってギフトを送らないといけない空気もあるし……。そういう些細なことも負担になっていますね」

◆卑猥なコメントを読まされ、精神は崩壊寸前

 収入は増えないのに、負担だけが膨らんでいく。そんな藍さんに追い打ちをかけたのは、ある男性リスナーとのやりとりだったと打ち明ける。

「配信プラットフォームの規約で、わいせつ表現は厳しく管理されているんですが、それでもルールを守らない人は一定数いるんです。いちばん多いのは、『真剣な悩みがありまして……』って、真面目な相談を装って下ネタをコメントしてくる人。たぶん、私が照れながらコメントを読むのを喜んでいるんだと思います。でも、本当に不快で……。たまに、その相談にほかのリスナーが乗っかって、隠語や伏せ字でもっと過激なことを書き込んで盛り上がってしまうんです。そうなると収拾がつかなくなる。もういいやって思って、私も本音で返してしまうこともあるんですが、そういう日は配信が終わったあと、ものすごく虚しくなるんです」

 こうしたストレスや連日の配信によって精神的に追い詰められ、不眠や動悸など、身体にも不調が表れはじめたという藍さん。まだ病院には通っていないが、「職場の人から、最近よく『疲れてない? 大丈夫?』と声を掛けられるようになった」と話し、近く受診することも検討しているという。