財産管理は誰に託すのが正解か「任意後見制度か家族信託か」そのメリットと落とし穴

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様々な方法で脳の老いを遅らせたとしても、いつかは認知症になるかもしれない――。そんなときに気がかりなのは、子どもや家族に面倒をかけてしまうことだろう。

とりわけ、おカネまわりの整理が足りていなかったがために、認知症患者の家族が苦労を強いられるという例は枚挙にいとまがない。

【前編記事】『認知症になっても株を売買可能「家族サポート証券口座」はこんなに有効…銀行口座凍結防止にも使える』よりつづく。

脳が老いてしまう前に「必ずやるべき手続き」

保険については、加入しているものを一覧にしてまとめておく。本人しか保険の存在を知らないと、給付金や保険金を請求できないままになってしまうリスクがある。

合わせて保険証券もまとめておこう。証券がオンラインのものは、印刷して保管しておくと便利だ。

このとき、受取人についてもきちんと確認をする。万が一、受取人が亡くなっている場合は、変更手続きも済ませておきたい。

不動産についてはどうか。こちらも、まずは自分が持っている不動産を整理することから始めよう。複数の不動産を所有している場合は、それぞれの所在地や名義人なども合わせてメモしておく。さらに、登記簿などの権利書もまとめておくといいだろう。

また、毎年4月から6月上旬にかけて各自治体から送られてくる固定資産税の納税通知書は、所有不動産のおおよその価値がわかるので、必ず手元においておく。

資産の整理が済んだら次は…

資産の整理が済んだら、自分の財産の管理を誰に頼むのかを決めよう。その際に使われるのが、「任意後見制度」か「家族信託」だ。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子氏が解説する。

「任意後見制度は、本人が元気なうちに後見人を指定しておく制度です。万が一、本人の判断能力が失われてしまったら、事前に決められたとおりに後見人に財産管理を任せることができます」

任意後見制度では、後見人が家庭裁判所や任意後見監督人のチェックを受けながら財産管理を行う。本人の財産を守るためには安心の仕組みだが、家族が柔軟におカネを動かせる制度ではない。

他方の家族信託は、自身の資産を丸ごと家族などに任せてしまう仕組みだ。

「家族信託は親族間で手続きが完結します。このとき、信託契約書を作成するのですが、契約書に法的な不備があるといけませんから、弁護士や司法書士に相談することをおすすめします」(太田氏)

自分はまだ大丈夫――そう油断することなく、早めに準備することが肝要だ。

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「週刊現代」2026年6月22日号より

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