[6.20 W杯F組第2節 日本 4-0 チュニジア モンテレイ]

 初戦劇的ドローの立役者がまたしても結果を出した。日本代表MF鎌田大地(クリスタル・パレス)は前半4分、左サイドを攻め上がったMF中村敬斗のクロスにゴール前で反応。しなやかな足さばきからワンタッチで押し込み、2002年の日韓W杯での稲本潤一以来史上2人目となるW杯での2試合連続ゴールを記録した。

 初戦のボランチから左シャドーに持ち場を移した一戦。起用が決まった時から得点は狙っていた。「今日はボールを基本的に持てると思っていたので、ビルドアップに関与するよりも、ゴール前で危険な場所にできるだけ行けるようにと考えていた。拓実くんがいつもやっているようなことをできたらいいなと思っていて、その中で早い時間でゴールできて良かった」。

 イメージしていたのは森保ジャパンをともに牽引し、今大会はメンターとして帯同しているMF南野拓実のようなフリーランだった。「拓実くんのようないいお手本がいて、常に見ることもできていたし、そういうところに入っていくのが大事と思っていた」。かつて2シャドーとしてコンビを組んだ盟友から刺激を受け、W杯でのゴールに結実させた。

 鎌田自身、FW小川航基のヘディングシュートが頭をかすめたオランダ戦のゴールに満足はなかった。「オランダ戦でラッキーで1点取ることができたけど、ラッキーだけのイメージで終わりたくなかったので、2点目が欲しかったし、上書きできるようにと考えていた。10番(シャドー)で出ると決まった時に強い思いを持って点を決めたいと思っていた」。

 いまもシャドーを本職とは考えてはいない。ただ、日本代表への使命感がポジションの壁を越えた。「相変わらず10番で試合に出るのは簡単じゃないと思うけど、今日のようなボールを持てる展開では全然いい。オランダ戦のような守備を基本的にやってカウンターという中ではなかなか難しいけど、試合展開や相手によって変えることはできる」

 メンバー発表の時点で「メンツを見て10番で出ることもあるだろうと思っていた」といい、MF久保建英の負傷で覚悟は決まった。全体のパフォーマンスには「自分らしくないイージーミスが多かったので、それは暑さだったり、ピッチ状態もあったと思うし、普段慣れていない(ポジションで)見え方も全然違うのでもっとできたんじゃないかなと思う」と手応えは控えめだったが、「ゴールの部分を意識してやっていたので結果がついて良かった」と託された役目には充実感がにじんだ。

 鎌田のゴールで勢いに乗った日本代表はその後もゴールを重ね、4-0で圧勝。これまで自国開催以外は3分け3敗と鬼門だった第2戦に勝利し、首位通過の可能性も残す勝ち点4で最終節に歩みを進めた。

「自分たちのグループはなかなか他のグループと比べても難しいグループの一つだと思うし、勝ち点4を取ってもまだ突破も決まっていない。今日の勝ち点を逃していたら最終戦で難しい試合展開になっていたと思うので、勝ち点3を取れたのはチームとして良かった」。

 グループリーグ突破にも大きく近づき、先を見据えられる立場ともなった。

「世界的に見ても日本は注目されているチームの一つで、結果を残さないといけない状況だったので、自分たちはしっかり前回のW杯から世界で戦えると証明できていると思うし、もっと日本の価値を上げていけると思う。自分たちは未来のためにそういうところを担っていかないといけない。グループを突破するだけじゃなく、目指しているものを取れるようにやっていきたい」

 常に現実思考を忘れないリアリストも、W杯にかける思いは人一倍。全試合に先発しながらも悔いを残したカタールW杯から3年半、チームへの貢献度に結果も上乗せした29歳が2戦連続の大仕事で好スタートを切った。

(取材・文 竹内達也)