日本からヒット薬を生み出すための研究支援のイメージ

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 国立研究開発法人・日本医療研究開発機構(AMED)は今年度から、がん治療薬やワクチンなど使用者が多く、世界で大きな販売額が見込める薬の研究を重点的に支援する。

 製薬企業の開発者を入れた特命チームを結成し、研究者らへの助言を通じてヒット薬の実現を目指す。政府は近くまとめる成長戦略に創薬力強化策として盛り込む方針だ。

 AMEDへの取材でわかった。大学の研究者らは発病や病気の進行に関わる遺伝子、免疫などの医学研究を進めている。成果を医薬品などの開発に生かせるよう、AMEDは資金面で支援している。ただ、実用化に向けたノウハウを持つ専門家などの不足が課題となっており、支援する研究テーマは年約2700に上るが、2015年の機構発足から10年で承認を得たのは、希少がんの治療薬など8製品にとどまる。

 新たな創薬支援では製薬業界のノウハウを生かし、実用化を進める。日本製薬工業協会と連携し、同協会前会長で、田辺三菱製薬(現田辺ファーマ)元社長の上野裕明氏がAMED理事長特任補佐に就いた。上野氏がリーダーとなり、製薬企業の出向者4人を含む8人のチームを発足させた。

 チームは、がんや感染症など世界で患者の多い病気の研究で、治療薬の開発が成功すれば販売額が大きくなる可能性があるものを絞り込む。選定では、世界の研究の進み具合や市場規模を考慮し、AMEDが現時点で支援していない有望な研究も対象にする。

 その上で、病気の原因物質を狙い撃ちする抗体医薬品や遺伝子治療といった新しい技術との組み合わせを助言・提案する。スタートアップ(新興企業)や起業投資会社(ベンチャーキャピタル)の関係者が参画する有識者委員会も設けて意見を聞く。27年度から研究費の配分を複数年続け、有望な研究成果を製薬企業や新興企業に譲渡することなどを目指す。

 米医薬コンサルティング会社IQVIA(アイキュービア)の調査では、創出された薬の数を製薬企業の国籍別でみると、日本は08年に13品目で2位だったが、24年は8品目で4位に低下している。

 上野氏は「国内外の患者に薬を届けるとともに、日本経済にも貢献できるよう、世界に通用する革新的な新薬の開発につなげていきたい」と話している。