遠藤航の“魂のビデオメッセージ”がチームを一つに…2度追いついたオランダ戦、“ワンチーム”となった舞台裏と次戦に向けた課題とは
北中米ワールドカップ初戦、サッカー日本代表はオランダ相手に2度のビハインドを追いつく粘りを見せ、2-2のドローで幕を閉じた。主将・遠藤航の離脱など、トラブルに見舞われるなかで勝ち点1を手にした日本。多くの不安材料を抱えていたが、試合前の最終ミーティングでは遠藤からのビデオメッセージもありチームがひとつになったという。現地で取材をするスポーツライターの木崎伸也氏に話を聞いた。
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二度のビハインドも追いつきドロー
北中米ワールドカップの大会4日目、6月14日(日本時間15日)に日本はグループステージF組の初戦でオランダと対戦。2-2の同点で試合を終え、貴重な勝ち点1を手にした。
試合はスコアレスで前半を終えるも、後半6分セットプレーの流れから失点。しかし12分にW杯初出場の中村敬斗がカットインから同点ゴールを決める。
一時は同点に追いつくも、19分に相手FWサマーフィルの鮮やかなゴールで失点、またもや追いかける展開に。
追いつきたい日本は、伊東、冨安、菅原、小川、塩貝と続々と交代カードを切ると、88分に伊東のコーナーキックから小川がヘディングシュート。ボールが鎌田の頭に当たり、見事同点ゴールを決めた。
まずまずの滑り出しとなった日本代表。現地で取材するサッカーライター木崎伸也氏に話を聞いた。
遠藤航のビデオメッセージ
――試合を振り返ってみていかがでしたか?
木崎伸也(以下同) 立ち上がり、非常に硬さが見られた試合でしたね。戦術的に非常に慎重に守備を重視して入るという約束事のもとで入ったのでしょうけれど、やはり初戦の硬さが出ていたのか、なかなか守備が機能しない印象でした。
前田大然選手がシャドーでスタメンでした。前目に出て上田綺世選手との2トップ気味に、左肩上がりのプレスも考えていたそうなんですが。なかなかハマらなかったなと。
強度という意味ではプランどおりにはいかなかったのではないかと思います。
ただそれでも最低限、ピンチを迎えながらも0-0で終えられたので、そこはこの水漏れをさせない、我慢強く戦うという森保ジャパンの哲学が出たなと思います。
――後半立ち上がりに失点、その後追いつくもさらに失点。ただ最終的には同点の結果になりました。
まずは小川航基選手が入って、最後に塩貝健人選手が入り、用意していた「ファイヤーフォーメーション」とファンが呼ぶ、3-1-4-2の形にして2トップにしていましたね。
鎌田大地選手にも話を聞きましたが、0-0だったらどうするか、1-0だったらどうするか、0-1だったらどうするかということを、状況に応じて事前に話し合っていたそうです。
なのでチームとして焦りはなかったかなと思います。プラン通り実行して最後、押せ押せムードになって、小川選手のヘディングが鎌田選手に当たって入ったっていうのは、その準備力と選手たちの実行力が伴って追いついた結果だったかなというふうに思いましたね。
――オランダ戦前には主将の遠藤航選手が離脱するなど不安視されていた部分も多かったように感じます。
遠藤選手の離脱もそうですし、親善試合をアイスランド戦を最後にやってなかったとか、決してコンディションも良くなかったかもしれない、本当に難しいなかで良くやれたのではないでしょうか。
余談ですが、試合に向かう前、ホテルで行なわれた最後のミーティングで離脱した遠藤選手からのビデオメッセージがあったそうで。
「みんなのために、日本のために戦うって気持ちがあるだろうけども、やっぱり1番はまず自分のために戦ってほしい」というメッセージがあったそうです。
そのようなやり取りも、チームがまとまる要因だったと思います。
――最後に今後の課題をあげるとしたら?
勝ち点1なんで、ここで浮かれるとやっぱり足元をすくわれると思いますし、相手にリードを許してからスイッチが入るところがありました。
リアクション的な傾向があることは日本代表の課題だったんでそこは修正してもらいたいですね。
追い込まれて力を発揮するという形だと、チュニジア戦では自分たちが主導権を握る展開が予想されますから、自分たちが先制できるように、もう一度ここからまた準備しなきゃいけないんじゃないかなと思います。
取材・文/集英社オンライン編集部
