ファン魅了した野手から選出「長嶋賞」、打撃好調の阪神・佐藤や本盗成功のソフトバンク・周東ら有力
長嶋さんの功績をたたえるため新設された「長嶋茂雄賞」の選考が、今年からスタートする。
走攻守の成績に加え、ファンを魅了し、プロ野球の社会的な価値向上に貢献した野手が対象となる。
現時点での有力候補として、阪神の佐藤は外せないだろう。打率3割7分、14本塁打、39打点は、堂々のリーグトップ。このままいけば、自身初の三冠王も夢ではない。長打率は7割を超え、得点圏打率も4割3分6厘と圧巻の数字を残している。リーグ連覇を狙う阪神打線を引っ張る主砲は、「(長嶋さんは)ミスタープロ野球。そういう時代を作った人に、少しでも近づけたら」と意気込む。
ソフトバンクの周東は、自慢の脚力で大きな衝撃を与えた。5月10日のロッテ戦の三回二死で、三塁から単独ホームスチールを成功させた。「(打率などの)数字は上下するし、予想もできない。でも一生懸命やることはいつでもできる。そういうところでみせられたらいい」。ハッスルプレーでファンを熱狂させた長嶋さんと共通する思いを口にする。
身体能力を武器にしたスケールの大きなプレーが魅力の日本ハムの万波は今季、その強肩でファンを驚かせている。定位置の右翼から繰り出す、矢のような「レーザービーム」で、5補殺は両リーグの外野手トップ。「僕のプレースタイルを考えると、まさに目指すべき賞として一番ぴったり。シーズンを通して(走攻守)トータルで目立たなきゃいけない」と意欲満々だ。
選考委員は、王会長ら球界のレジェンド5人。王会長は「長嶋さんは一年中、ファンの胸をときめかせてくれた人。選手も『第1回は俺だ』とやる気が出ると思う。野球界は長嶋賞ができたことでより盛り上がるでしょう」と期待を込める。「ミスター」の後継者として、「第1号」に輝くのは、はたして誰か。(記録は1日現在)
選考委員の略歴は以下の通り。
王貞治(おう・さだはる) 1940年5月20日生まれ。59年に巨人入団。77年に世界記録の756本塁打を樹立し、初の国民栄誉賞を受賞した。巨人やソフトバンクで監督を務め、2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では監督として日本を優勝に導いた。
山本浩二(やまもと・こうじ) 1946年10月25日生まれ。69年、法大から広島に入団。75年に首位打者を獲得し、広島初優勝の原動力となった。77年から5年連続40本塁打以上を放った「ミスター赤ヘル」。広島の監督を通算10年務め、2013年のWBCで日本代表を率いた。
岡田彰布(おかだ・あきのぶ) 1957年11月25日生まれ。80年、早大から阪神に入団し、新人王を獲得。85年は主力として日本一に貢献した。95年に引退。2004年に阪神監督に就任し、05年にリーグ制覇。オリックス監督を経て阪神監督に復帰し、23年に日本一となった。
栗山英樹(くりやま・ひでき) 1961年4月26日生まれ。84年、東京学芸大からドラフト外でヤクルト入りし、90年に現役引退。2012〜21年に日本ハム監督を務めてリーグ優勝2回、日本一1回。23年のWBCで日本代表を率いて3大会ぶりの優勝に導いた。26年に殿堂入り。
松井稼頭央(まつい・かずお) 1975年10月23日生まれ。94年に大阪・PL学園高から西武入団。2002年に打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」達成。米大リーグで活躍した後、11年に楽天入りし、18年に西武で引退。23年から24年途中まで西武の監督を務めた。
