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「ギャンブル依存症の親が作った借金を、必死で貯めたお金で何度も肩代わりしてきた。でも、もう限界です」

長年「毒親」の金銭問題に翻弄されてきた子からの訴えが、弁護士ドットコムに寄せられている。

相談者によれば、幼少期から極貧生活を強いられ、成人後も親が問題を起こすたびに生活を脅かされてきたという。一度は親の借金を完済したものの、数年前に再び高額な借金が発覚。自らの平穏を守るため「完全に縁を切りたい」と願っている。

親子問題にくわしい太田伸二弁護士は、法的な意味で親子関係を終わらせることはできないが、必ずしも子が親の借金を支払わなくてもよいのだ、と指摘する。

● 親子関係を能動的に終わらせる法的な制度は存在しない

──親と法的に「縁」を切り、扶養義務を免れることはできるのでしょうか。親が生活保護を利用した場合、子に不利益はあるでしょうか。

養子縁組関係であれば「離縁」することで扶養義務を消滅させる方法はありますが、実の親子の関係を終わらせる制度は、現行法上ありません。

そのため、子どもが親に対して負う扶養義務についても消滅させることはできないのですが、その場合の扶養義務の程度は「生活扶助義務」とされています。

「生活扶助義務」は、自分自身の生活を維持した上で、余力がある範囲で援助すれば足りるというものです。親が未成熟の子に対して負う「生活保持義務」と比べれば弱い義務に留まっています。

● 扶養照会に「援助できない」と答えてもよい

親が生活保護を利用することになった場合、福祉事務所から子どもに対して、親を援助できないかと尋ねる「扶養照会」をしてくることがあります。

この際、子ども側は「自分の生活が苦しい」場合だけではなく、「親に迷惑を掛けられた」ような経緯がある場合でも、「援助できない」という回答をしても構いません。

福祉事務所が扶養を求める調停または審判を起こす権限もあるのですが、そこまではしないことがほとんどです。

また、そもそも親が子どもに金銭的に迷惑を掛けてきた経緯があるような場合は、著しく関係が不良であり「扶養義務履行が期待できない者」に当たります。その際には、扶養照会をしないように求める通知を、厚労省が出していることもお伝えしたいところです。

【取材協力弁護士】
太田 伸二(おおた・しんじ)弁護士
2009年弁護士登録(仙台弁護士会所属)。ブラック企業対策仙台弁護団事務局長、ブラック企業被害対策弁護団副事務局長、日本労働弁護団全国常任幹事。Twitter:@shin2_ota
事務所名:新里・鈴木法律事務所