宮城野部屋再興への夢を見る人たちに冷や水を浴びせる「預かり解除」の決定を受け、これぞ中世エンターテインメントとゾクゾクした件。
夢は言葉にしないと伝わらない系!
好角家の末席に名を連ねるひとりとして、今日もまた中世の香りを嗅げることにゾクゾクしています。あの乱闘上等のプロ野球でさえ暴力監督を即日クビにする(※辞任の体裁)令和の世にあって、大相撲はできる限り中世を維持しようと努め、そこに唯一無二の価値を見出す中世エンターテインメントです。「うわチョンマゲ」「うわフンドシ」「うわ身分制度」みたいな驚きを楽しむ、それが大相撲。捕まえた動物を見て「ほんとにほんとにライオンだ」とか楽しむタイプのアレの人間版がコレなのです。
この日、僕をゾクゾクさせてくれたのは日本相撲協会の定例理事会において決められた、旧宮城野部屋力士の伊勢ケ浜部屋での預かりを解除するという決定です。いままで間借りのように居住まいの悪い感じで合流していた旧宮城野部屋勢が今後は名実ともに伊勢ケ浜部屋所属の力士となる、これ自体はある意味ではスッキリとして落ち着く話ではあります。
ただ、一部の夢を信じてきた人たちにとっては、この通告はまさに中世を感じる電撃的かつ非情なものでした。これにより、これまでは形式的に存在していることになっていた旧宮城野部屋は完全に消滅し、一旦宮城野部屋というものはなくなりました。これで何が変わるかというと、形式的にでも存在している部屋であれば比較的条件緩く後継者が引き継ぐことが可能ですが、一旦消滅となると仮に後継者が現れて宮城野の名跡を取得して部屋を興そうとしてもそれは「新設」の扱いとなり、ハードルがグンと上がるのです。
詳細な条件は定かに把握していないのですが、既存部屋を引き継ぐ形であれば一般的な年寄名跡取得の条件と聞き及んでいる「小結以上」「幕内20場所以上」「十両以上30場所以上」のいずれかを満たして年寄名跡を取得すれば師匠となれる認識です(※実際にはもっと緩い事例もある)。ただ、「新設」となれば「横綱・大関以上」「三役25場所以上」「幕内60場所以上」という相当な成績を残したものでないと師匠となることは認められないとのこと。これはだいぶ大きな違いです。
で、その境目のところの話として、つい先日の五月場所で旧宮城野部屋勢の炎鵬が「十両以上30場所以上」に到達しまして、夢を信じる人々が「これで炎鵬が宮城野部屋を継げる」と沸いた矢先の、引継ぎの道を断つこの決定。「この日までに宮城野部屋を復興させたい旨の申請が理事会に出ていない」ということでの預かり解除決定だったそうですが、これには夢を信じる人々が「炎鵬が条件満たしたから慌ててトドメを刺しにきたな」と勘繰りたくなるのも致し方ないことでしょう。見世物として見るぶんには楽しいんですが、当事者だとこれはきっついでしょうね!
↓解散!解散!夢は解散!
旧宮城野部屋が消滅 日本相撲協会が理事会で預かりの解除を決定 力士ら全員が伊勢ケ浜部屋の所属へ#大相撲 #sumo
記事はこちら▼https://t.co/Gdi1SfetXO- スポーツ報知 相撲取材班 (@hochi_sumo) May 28, 2026
とまぁ、悪の相撲協会みたいな角度から入りましたが、半分くらいは「悪の相撲協会」という気持ちを持ちつつも、半分くらいは「まぁそうでしょうなぁ」という気持ちもあります。そもそもこの旧宮城野部屋勢の預かり処分というのは、2024年に旧宮城野部屋での日常的かつ長期間にわたる暴力事件が発覚し、何やらよくわからない検討の結果、師匠であった白鵬は2階級降格&減俸のうえ宮城野部屋勢は伊勢ケ浜部屋の預かりとなったというもの。この時点では、白鵬はまだ協会内に残っておりましたので、将来的な師匠復帰の道を残すために(※悪の協会的にはまだトドメを刺せなかったからとも言える?)こうした異例の対応となったものでした。
ただ、その後白鵬は2025年6月に相撲協会を退職。そこからさらに1年を経て、率直に言って「何で預かり処分にしたんだっけ?」という本来の主旨も失われていたのが今でした。旧宮城野部屋勢で年寄名跡を持つ間垣親方(石浦)からも特に動きはなく、いつまで預かりなんですかね?と問われたら「さぁ」と答えるしかないのが実情です。そのなかで、あるいは、もしかしたら、と夢の可能性を残していたのが炎鵬であったわけです。
思うに、相撲協会としては「炎鵬までは待った」気持ちなんじゃないでしょうか。四股名に「鵬」の字を残し、大怪我で一時は序ノ口まで番付を下げながらも復帰し、この五月場所で十両に返り咲いた炎鵬がどんな意志を持っているか、そこまでは見ようじゃないかということだったのではないかと思うのです。炎鵬自身も自分が名跡取得の条件を満たしたことはわかっているわけですから、それをもって宮城野部屋再興の意向を宣言する、何なら現在の宮城野親方(先代旭富士/横綱のほう)と握って即引退&部屋継承へと動き出す、そんなことがあればまた話も違ったのではないかと思うのです。
しかし、炎鵬がどんな意志を持っているかは定かではありませんし、今表明がないのであればまだ現役をつづけるということなのでしょう。それは何年つづくのか。何年か待ったあとどんな意志を持っているのか。それはまったくわかりません。伯乃富士(伯桜鵬)や義ノ富士など旧宮城野部屋に縁がある力士たちが意志を持っていたとしても、それが実行に移されるのは女性の太ももとか触らず相撲に打ち込んだとしても、まだ10年とか先の話でしょう。そうなれば、気持ち的に名跡を預かっている宮城野親方(先代旭富士/ややこしい)も協会から離れているでしょうし、もうそこに「再興」を優遇すべき状況はナイわけです。
客観的に言えば、2025年6月時点で決めるべきであったことを1年かけて様子を見、もしかしたら何かアクションがあるかもしれないタイミングまで待ったうえで何もなかったので、ここを区切りとした、そういう話でしょう。もしも炎鵬の即引退&部屋継承という動きがあれば、それを汲んだ決定(再興承認とか預かり延長とか)になったのではないかと思います。もし本当にそれすら認める気がないのであれば、白鵬の退職時点で預かり処分を解除したってよかったのですから。
↓炎鵬は土俵で元気に頑張っています!まだまだ頑張ります!

2025年に白鵬が協会を去った際は、部屋再興まで「あと1年待て」と言われたことで心が折れたのだと報じられていました。実際にそういうやり取りがあったのかは定かではありませんが、協会としては「1年待ったぞ」という思いもあるでしょう。ただ、1年待ったときに肝心の白鵬はすでにいなかったし、その意志を継ぐものもいなかった。ただそれだけのこと。デートで待ちぼうけの末に帰った、みたいな話であって、来る気があるけど遅れるのなら連絡くらい入れればいいのです。冷たいようですが、協会の側から「お前もうちょっと頑張れよ」「宮城野の意志を継ぐものはお前しかいない!」「金がないなら貸すぞ」なんて後押しする筋合いはないのですから、妥当自然な決着なのではないかと思います。
白鵬とその縁あるものをことさらに大切にしていない、と言われればまったくその通りだとは思いますし、白鵬が協会に残っていたらただただ永遠に預かり処分が延長されただけなのかもしれませんが、そうした冷遇は今に始まったことではありません。千代の富士も貴乃花もことさらに大切にされたわけではありませんし、現役時代の偉大な成績と指導者となってからの出世や世渡りとはまた別の話です。王様が最後に庶民による革命で処されるのが中世だと思えば、まさにこれも中世エンターテインメントの一部なのではないかと思います。
まぁ、限られた年寄名跡ですので、経験・技量・人脈その他含めてこの人ならばという師匠候補が登場したときに、その枠を残しておくことも大切でしょう。そしてまた、その人を革命で処す、そんなことを繰り返しながらこの中世エンターテインメントは進んでいくのです。この中世からSUMOというスポーツを解き放つために、一刻も早く世界相撲グランドスラムが立ち上げられることに期待しましょうね!1年待ったけど何もないので早くも心が折れそうですが!
↓頑張って5年くらいは待ちますので、定期的な続報をお願いします!
元横綱白鵬会見で「世界相撲グランドスラム」構想説明 「トヨタの後押し、うれしい」https://t.co/XBm1heNYOF
- 産経ニュース (@Sankei_news) June 9, 2025
白鵬氏は「世界のトヨタ。私の相撲を応援してくれた。大先輩が後押してしてくれることは非常にうれしい」と話した。
世界相撲グランドスラムが立ち上がれば、中世のヘンな処分されたら全員世界に移籍で解決ですよ!
それまでお待ちください!
夢を叶えるには、言葉にすることと、忍耐強く待つことが必要なんでしょうね!
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